出版社内容情報
心臓を病んで谷間の村に隠棲したつもりの元警官、前科者と親しくなり、恋人が行方不明だと聞かされたとたんにデカ魂が燃えてくる
内容説明
ニューヨークのコンクリートの上の生活におさらばして、陽光のカリフォルニアで病んだ心臓をいたわるつもりだった元NY市警刑事のブライアン・マーフィーだが、そこで知り合うのは一癖も二癖もある“元ナントカ”ばかり。捨てたはずのデカ魂がつい頭をもたげてしまうのだ―「真夜中の相棒」の著者が新しい味を出した第5作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
11
大好きな作家、久々の再読。もっと評価されてもいいのにな、テリー・ホワイトさん。男たちの友情とか腐れ縁とか、非常に“かわいい”のだ、ファニーという意味で。もと刑事のブライアンは運の悪いもと車泥棒のトレイが気になるし、もと強盗のクリスは厄介なドワイトが見棄てられない。それは単に相性なのかもしれないし、優しさかもしれない。でもこの作者の描く人物はとても孤独で、それ故、悲しい。ラストシーンのクリスの様に・・・。2016/08/04
おくちゃん
8
社会からはみ出したホントにばかな男たちの物語。2020/03/04
bapaksejahtera
7
元受刑者の男二人。さらに警官を辞めた男と受刑者の奇妙な友情を持つに至った二組の男たちが、厄介な女の企みによって絡み合うことになる。麻薬王の大金奪取とその報復、警察の介入。物語は作者の恣意的な筋立てにより謎解きより結末を想像することでかつがつ興味を保たせる。同著者の「コワルスキー」や「殺し屋マックス」作品よりは落ちるが、読んで損した気持ちにはならない。2020/03/27
樹。
2
一頻り作品を読み切ろうと思って発刊順に読んで居る訳ですが、二作目以降定形になっている〈複数の事象が邂逅する〉手法。もう何回目かなのにそれでも面白い…!キャラクタに皆欠損が有って、それがイヤに人間らしい。思考回路が全部理解出来る訳ではないのだけど、どっか壊れちゃってて衝動のまんまに破滅してくその愚かしさが愛おしい、みたいな造形に毎度舌を巻きます。バディものばっかり書いてるけど飽きないの、凄い。この作家、フェイバリットになりそうです。2017/03/24
woo
2
重くもなければ軽くもない、この作者ならではの展開と語り口。 サラッと、しかし含みを残した終わり方もまた悪くない♪ つい手に取ってしまう作家だなぁ^^2014/05/03
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