出版社内容情報
関ケ原の戦いが変えた日本の運命、『竜馬がゆく』を執筆するに到るいきさつ等々全集第一期の月報を基にまとめられた談話集
内容説明
司馬遼太郎という作家の大いなる魅力のひとつに、その話術の妙がある。歴史に対する深い造詣から紡ぎ出される数々の興趣つきない逸話は人の心を捉えて離さない。ここに収めたものは全集第1期の月報のために語り下ろしたものと「雑談・隣りの土々」という表題の雑誌連載から三篇(『司馬遼太郎の世界』所収)である。
目次
歴史と風土(日本、中国、アジア;関ケ原私観;竜馬雑話;紀州のこと ほか)
雑談・隣りの土々(遊牧文化と古朝鮮;日本仏教と迷信産業;中央と地方―いわゆる都鄙意識について)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
112
前半は司馬遼太郎全集の月報に、後半は文藝春秋に連載された談話をまとめたもの。タイトル通り、日本、中国、アジアの歴史、風土、宗教などに関する雑感。いわゆる「司馬史観」なるものが随所にみられる。あらためてこうした分野に対する司馬さんの博学に驚嘆する。書き物でなくて「語って」いるのだもんなあ。「関ケ原私感」「竜馬雑話」「峠のあれこれ」「紀州のこと」など各作品の背景や登場人物に対する司馬さんの想いなどが興味深い。司馬のこれらの作品を読んだ人にはおすすめの一冊。★★★+2017/11/10
さつき
61
「関ヶ原私観」や「維新のあとしまつ」など様々なテーマについての談話がまとめられた本。戦国時代や幕末の話しがあったと思うと現代の葬式仏教に対しての不満が語られたりとバラエティに富んでいて、とても面白かったです。どの談話も昭和40〜50年代のもの。その時代の雰囲気を感じることができたのも収穫。2017/12/16
i-miya
56
2013.12.21(12/21)(再読)司馬遼太郎著。 12/21 (カバー) その話術の妙。 全集第1期の月報のために語り下ろしたもの。 (解説=磯貝勝太郎) S33(1958)、短編小説集『白い歓喜天(かんぎてん)』、文化は辺境に残りやすい。 中央で成立した文化は辺境に伝わる。 中央が変化が激しいので、失われてしまうことも多い。 新疆ウィグル自治区のシボ族、ダホール族。 2013/12/21
i-miya
48
2014.01.30(01/21)(つづき)司馬遼太郎著。 (p012) 中国の体制。 大化ノ改新で取り入れ始められたが、その初めから劣等生だった。 そういう体制を持ちたいと考えたのは、ほんの一握りの藤原鎌足ら一派だけ。 その体制で土着の諸豪族を排除しようとした。 そこで中国の言う皇帝が日本の天皇ではないかと考えた。 天皇を皇帝にしよう。 そう目論んだのが大化ノ改新。豪族は猛烈にたくさんいる。 2014/01/30
優希
43
講演と随想で紡がれた1冊でした。歴史に対する深い眼差しから語られる話は飽きることがありません。むしろ読み進めるうちにどんどん興味が湧いてきます。司馬史観に魅了されているので、読んでいるのが楽しかったです。歴史の学びにもなりました。2023/09/20