出版社内容情報
若年の頃から周囲の期待を一身に集めながら、就任後わずか二年で自ら幕府を葬ることになった将軍の悲劇。活字を大きくした新装版
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
383
徳川慶喜の生涯を描く。彼は家康に始まった徳川幕府の第15代目、最後の将軍であった。将軍職にあったのは、わずか1年。しかし、その1年は日本の政治と歴史にとって、大きな1年であった。もっとも、大政奉還の決断が慶喜によって成されなかったとしても、徳川幕府の命運はもはや尽きていたではあろうが。慶喜の一生は、まさに波乱万丈であった。数々の偶然が彼を将軍に押し上げたのである。慶喜は、御三家の一つ、水戸の徳川斉昭の五男である。正室吉子の生んだ嫡男としては2番目。やがて一橋家に養子に行くのだが、そのあたりから慶喜の⇒2026/06/20
Die-Go
263
再読。徳川江戸幕府の最後の将軍であり、鎌倉より続く武家政権の最後を飾った徳川慶喜の生涯を描く。坂本龍馬や、土方歳三などの持つ華々しいヒーロー性はないものの、崩壊をまぬがれない幕府の最後を締め括る役割を担った真のヒーローたりえるものをこの徳川慶喜という人物は持っていたのかもしれない。★★★★☆2016/05/05
ヴェルナーの日記
254
江戸幕府15代将軍・徳川慶喜。ある意味においてシェークスピアの“ハムレット”のような(彼ほど気弱ではないが)、複雑な性格の持ち主であったようだ。世が世なら時代の寵児であったかもしれない。稀代の名君でいたかもしれないが、時代という運命が、彼に全く違った人生を歩ませた。彼にもう少し野心があれば、逆にいま少し凡愚であったなら、その後の動乱期は激しく、もっと長く続いたであろう。俗に“策士、策に溺れる”という諺が似合う気風の慶喜だが、少なくとも彼が大政奉還しなければ、今という現代は大きく変わっていたに違いない。2016/03/19
ehirano1
245
戦わずして国を守った天才だが、 その天才ゆえに悲劇の将軍となった男の話。胸熱というよりも、静かで青い炎という感じでした。一方で、武士の時代を終わらせた男が、 武士の価値観(名誉・忠義・死に場所)から最も自由な晩年を生きた、とは皮肉かもしれません。そして著者の歴史観の1つである「歴史の大きな決断をした人物ほど、 晩年に静かな幸福を得るべきだ」が大きな余韻を残します。2026/09/26
遥かなる想い
210
第37回(1998年)NHK大河ドラマ原作。英傑と言われる徳川慶喜を描いた本。立場により、その人物の評価が分かれるのは、歴史の宿命だが、幕府を終焉させねばならなかった数奇な生涯は事実であろう。2010/07/31




