文春新書<br> ゾルゲ事件80年目の真実

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文春新書
ゾルゲ事件80年目の真実

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  • サイズ 新書判/ページ数 272p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166614776
  • NDC分類 391.6
  • Cコード C0295

出版社内容情報

処刑から80周年――機密解除資料が明かす「史上最高のスパイ」の闇

戦前の東京で暗躍した旧ソ連の大物スパイ、リヒャルト・ゾルゲ(1895~1944)の処刑から2024年11月で80年となる。近年、ロシアではゾルゲの再評価が進み、未公開資料も続々と表に出てきている。
本書は近代ロシア研究の第一人者である名越健郎氏がそうした機密解除資料をもとに、ゾルゲのスパイとしての活躍を臨場感たっぷりに描き出した作品である。
オートバイを駆って上海や東京の街を疾走し、夜の社交界で巧みな話術で権力者たちに食い込み、ドイツ大使夫人、シーメンス社支店長夫人、ルフトハンザ航空幹部の夫人、VIPの女性秘書、アグネス・スメドレーほか手当たり次第に女性と不倫関係になり(なおかつ女性たちを情報源とし)、本国で進むスターリン粛清に脅える――そうしたゾルゲの日常が生々しく甦り、まるでスパイ映画のようである。

ドイツ紙特派員を隠れ蓑に日本社会上層部に食い込んだゾルゲは、日本の国家機密および同盟国のドイツからもたらされた外交機密をことごとくキャッチし、モスクワに伝達した。
おもなものだけでも、日独防共協定、ドイツ軍のソ連侵攻計画、ノモンハン事件の詳細、御前会議での日本軍の南進政策決定、大本営の設置など、超ド級の機密情報が筒抜けになっていた。さらに、日本が対ソ開戦を回避するように各方面から働きかけていた。
ゾルゲの情報工作のおかげで、ソ連はヒトラーのドイツとの戦いにリソースを集中することができた。結果として、第二次大戦の帰趨にゾルゲは決定的な影響を与えたと言われている。
だが、それほど大きな仕事を成し遂げたにもかかわらず、いまだにゾルゲの活動の全容は謎に包まれている。ゾルゲがソ連に送信した暗号電報・書簡、コミンテルンからの指示などは、その多くが機密指定されていたからだ。
しかも当時のソ連は独裁者スターリンによる粛清が猛威を振るっていた。猜疑心のかたまりのようなスターリンは、ゾルゲの上官らを次々に処刑し、ゾルゲにまで疑いの目を向けていた。ゾルゲに名誉回復がなされたのはスターリンの死後、フルシチョフ時代になってからだった。
ところが今、ゾルゲを英雄として顕彰する動きがロシアで高まっている。背景には、KGB出身のプーチン大統領の意向がある。プーチンは「高校生の頃、ゾルゲのようなスパイになりたかった」とテレビ番組で告白。その言葉を受けてか、ロシア各地にゾルゲ像が乱立し、50都市に「ゾルゲ通り」があるほか、「ゾルゲ・アパート」「ゾルゲ公園」なども各地にできている。同時に、ゾルゲに関する未公開資料の機密解除がなされたのだ。
日本で知られていない情報が盛りだくさん。
2025年は「昭和100年」という節目の年でもあるが、あらためて昭和の闇を照らす作品である。

内容説明

東京の街をオートバイで走り抜け、巧みな話術で権力者らに食い込み、出会った女性を片っ端から魅了し、日独防共協定、御前会議、ノモンハン事件など、日本の国家機密をことごとく手に入れた男―。ロシアで機密解除された暗号電報をもとに稀代のスパイの秘密に迫る。

目次

はじめに 解禁されたロシアの新資料
第1章 甦る伝説のスパイ
第2章 上海秘密指令(一九三〇~三二年)
第3章 東京諜報団の暗躍(一九三三~四〇年)
第4章 運命の年(一九四一年)
第5章 それからのゾルゲ事件
おわりに ゾルゲのDNAは生きている

著者等紹介

名越健郎[ナゴシケンロウ]
1953年、岡山県生まれ。東京外国語大学ロシヤ語学科卒業。時事通信社に入社。バンコク、モスクワ、ワシントン支局記者、モスクワ支局長、外信部長、仙台支社長を歴任。2012年から拓殖大学海外事情研究所教授、国際教養大学特任教授。論文博士(安全保障)。現在、拓殖大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

75
ゾルゲの活動を時代を追ってかなり詳細にたどっている。協力者の獲得方法や評価など、モスクワに送った電報などの史料を丹念に紐解いていて臨場感があった。特に日本での末期、協力者の通信員が体調悪化とスパイの重圧、ゾルゲへのある種の反感から、打電を依頼された原稿をサボって端折って打電していたのには驚いた。あとは日本が情報戦において高官の脇が極めて甘いことが指摘される。著者はプーチンについての書もあり、KGB上がりのプーチンがゾルゲを高評価し、愛国心高揚に利用しているそうだ。表に出たら終わりのスパイの厳しさを感じた。2025/01/15

Tomoichi

25
ゾルゲに対してどう云う感情もない。敢えて云うならこう云う優秀なスパイを持ったソ連は流石である。諜報国家ロシアの面目躍如である。さて本書について、もうちょっと何が通説で既説で新発見かを明確にしてもらいたかったかな。あと本当の悪魔的スパイの尾崎秀実についてもう少し迫って欲しかった。尾崎あってのゾルゲであり、この国家も国民も裏切った朝日新聞社員を理解できなければこの事件は理解できないと思う。現代の左翼も同様だが、自分の信じる理想がありそれを他人に押し付け、その理想のためなら国家も国民も裏切る。2025/01/12

せつお

13
劇団民藝の芝居「オットーと呼ばれる日本人」(木下順二作)を昨年観た後に購入 ゾルゲは、ソ連(コミンテルン)のスパイとして上海で活動。その過程で尾﨑秀実と出会い、日本の対ソ戦略を聞き出し、それがソ連対ナチスに役だったことは間違いない。 尾﨑もゾルゲも治安維持法違反で逮捕され、処刑されるわけだが、ソ連に帰国していたとしてもスターリンの名のもとに処刑されていたかと。 ヒトラーが独ソ戦に踏み切らなければ、ソ連と日独伊は上手くやっていけたんではなかろうか。2025/02/17

てっちゃん

7
日本が「スパイ天国」と言われるのも、頷ける。ゾルゲの協力者がかなりの数に上ることもそうだが、ソビエトの複数の情報機関が暗躍していることも驚きだ。ゾルゲの報告した情報を、当時のソビエト政府がどう判断したのかも、中々興味深かった。2024/12/04

ラーク

3
一部で英雄視され、神格化に近い扱いをされているスパイ、リヒャルト・ゾルゲ。数々の資料に記された客観的事実が物語っているのは、ゾルゲがあくまでも一人間であったということだ。人格・性格には難があったようだし、本部からの要求に完璧に応えることができていたわけでもなかった。検挙の少し前からは、本部に対し幾度となく帰還したいという「弱音」を吐露していた。しかしそんな中にあっても、任務きちんと向き合い、あらゆる手段を用いて情報収集にあたるその姿勢が、数々の有力情報を得る結果につながっていったのだろう。2025/02/02

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