出版社内容情報
ジャレド・ダイアモンド、ポール・クルーグマンら世界を代表する六人の知性が、新型コロナ・パンデミック後の世界を大胆に予測する。
内容説明
新型コロナウイルスが国境を超えて蔓延する中、現代最高峰の知性六人に緊急インタビュー。世界と日本の行く末について問うた。このパンデミックは人類の歴史にどんな影響を及ぼすのか。これから我々はどんな未来に立ち向かうのか。世界史的、文明史的観点から大胆に予測する。
目次
第1章 独裁国家はパンデミックに強いのか
第2章 AIで人類はレジリエントになれる
第3章 ロックダウンで生まれた新しい働き方
第4章 認知バイアスが感染症対策を遅らせた
第5章 新型コロナで強力になったGAFA
第6章 景気回復はスウッシュ型になる
著者等紹介
大野和基[オオノカズモト]
1955年、兵庫県生まれ。東京外国語大学英米学科卒業。1979~1997年渡米。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学ぶ。その後、現地ジャーナリストとして活動開始。国際情勢から医療問題、経済まで幅広い分野を取材、執筆。帰国後もアメリカと日本を行き来して活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
241
9月の第一作は、ジャレド・ダイアモンド他、世界の知の巨人たちが語るアフターコロナの世界です。ジャレド・ダイアモンド以外は、初読です。オススメは、スコット・ギャロウェイの『新型コロナで強力になったGAFA』です。オールド・エコノミーのウォルマートが元気だというのが不思議です。私の持論、「新型コロナ・ウィルスは、地球の自浄作用の一つ」だと主張する論客がいなくて残念です。2020/09/01
absinthe
188
6人の著名知識人に「コロナ後の世界」を語ってもらったもの。どの方も普段の論調からあまり離れてらっしゃらない。コロナと関係ない話も少なくないような。日本はやはり女性の社会進出促進や、若い移民の受け入れ、高齢者の活用が課題となるのか。日本は、差別の少ない国だとは思っていたが習慣を変えたがらない国でもある。他の企業が停滞する中、GAFAはコロナで躍進した。GAFAを危険視する声が聞かれるとは驚いた。どの知識人もトランプ嫌ってるなぁ。2021/05/12
buchipanda3
102
近年、発言が注目される各分野の著名な知識人6名による寄稿文。どの内容も現状を丁寧に考察して分かり易く提言が為されていた。ただ内容としては新たな見解というよりも、従来の提唱にコロナの影響を加味したものに感じられた。コロナが大きな「変化の担い手」になるのかという点では、むしろ「促進剤」となるという意見が頭に残った。コロナによるニューノーマルと言っても技術的な革新の影響ではないため、変革というよりも見えてきている盛衰の流れが加速されるものに留まるのかもしれない。それでも先を見据えることの大切さは変わらない。 2020/07/29
trazom
95
世界最高峰の知性6人が何を語るか楽しみで手に取ったが、そもそも、インタビュー記事をまとめただけのものに、思想的な深みは全くない。週刊誌レベルの内容が「新書」になることの悲しさを思う。6氏とも、普段から唱えている自説を繰り返し強調しておられ、「コロナ後の世界」に対する革新的な視点は全くない。この人たちにとって、新型コロナ騒動とは、自説の主張してきた社会への方向性を加速する「促進剤」であって、「変革」ではないという共通認識があるのだろう。何か違う気もするけれど…。2020/10/25
k sato
64
2020年、コロナ流行初期。世界はどう変容するか。政治、AI、労働、認知、GAFA、経済の観点から、世界の知識人6名を緊急取材。共通認識は、パンデミックは深く考える機会になるということ。パンデミックから学び、私たち全員が変わらなければならない。感染対策、核の脅威、経済格差の是正は、喫緊の課題として挙げられていた。コロナ収束に向かう現在、知識人でも見通せなかった事態は、露のウクライナ侵攻だ。人類の歴史は、感染症、戦争、飢饉との闘いであった。温暖化や経済格差によって、世界が第三の危機に見舞われないことを願う。2023/03/08