出版社内容情報
安らかに、苦しみもない往生。そんな理想的な死はどうすれば迎えることができるのだろうか。人生を達観した先達たち十四人に尋ねた。
内容説明
「大往生」を広辞苑で引くと、「安らかに死ぬこと。少しの苦しみもない往生」とある。そんな理想的な死のかたちとはどういうものか、人生を達観した十四人に尋ねた。死への恐怖、印象に残った死に方、人生への思い―人生のしまい方を考える糧となる一冊。
目次
理想は「孤独死」と「野垂れ死に」(中村仁一(医師))
主筆室でポックリ死んでいて、秘書に発見される(渡邉恒雄(読売新聞主筆))
寿司をのどに詰まらせて死ぬ、なんていいね(外山滋比古(英文学者))
覚悟を決めて七転八倒して死にます(佐藤愛子(作家))
自分のすべてを社会に残して、空っぽで死んでいく(酒井雄哉(天台宗大阿闍梨))
みんなを笑わせながら、面白く死にたい(やなせたかし(漫画家))
ジャングル生活三十年で死に対して不感症になった(小野田寛郎(小野田自然塾理事長))
突然倒れて「あら」っていうのがいいね(内海桂子(芸人・漫才師))
種田山頭火のように酔って“コロリ”(金子兜太(俳人))
理想は安楽死。後のことは全部決めてある(橋田壽賀子(脚本家))
織田信長の死に方には、痺れました(出口治明(大学学長))
七十五歳までに語学留学。百十七歳まで生きる(高田明(ジャパネットたかた創業者))
余命半年の宣告を受けて、映画を撮る資格がもらえたと思った(大林宣彦(映画監督))
人生の最終章を生きるための「十の心得」(柳田邦男(ノンフィクション作家))
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
33
九十歳時の内海桂子師へのインタビュー。十歳で奉公に出され、十六歳でひょんなことから漫才を始める。満州、北支にも慰問に行き、敵に狙撃されたことも。男運も良くはなかった。しかし、最晩年に至り、芸能生活も私生活も安穏を得る。そんな彼女の「人生っていうのは何だろう」という述懐。分からないからこそ、人は生を全うできるのだろうか。2021/02/12
カタコッタ
14
人生の大先輩の死生観。今年実母を亡くし私も毎日死について考えてます。一日一生、これに尽きるかもしれません。2023/08/31
すうさん
10
個々の登場する人たちは70~90歳の高齢の方々で、すでに鬼籍に入った方も。素晴らしい「大往生」とは「餓死」である。モノが食べれなくなり水分もとれなくなるので血液も濃くなってやがて薄れゆく意識の中であの世に行く、というのが至言。このようにしっかり現実の現象を観れば死は苦痛でなくかえって快感なのかとも思える。死を身近に感じる人々は押しなべて死に対して恐怖心は薄く、過去の人生をより輝かせるがごとく余生を、余命を懸命に走り抜けている。すがすがしささえ感じられるインタヴューであった。人生の一考にしたい話であった。2019/10/16
joy
2
いろいろな素晴らしい人生観、死生観、それに何より人に寄りさまざまな経験があることをあらためて知る。2021/01/26
peace1975
2
14人の方の死に対しての思いをとおして、延命の在り方、戦時中の死を達観したものの考え方などを学ぶことができた。2020/09/07