内容説明
古来、日本人が憧憬し範とした文化的中国が中国史の「明」の部分だとすれば、その「陰」の部分は異民族に対する侵略、自国内での大虐殺などに血塗られている。この中国史の裏面をしっかり見据え、バランスのとれた中国観を構築する。
目次
序章 日本人が知っておくべき「陰」の中国史―いまこそ、虚妄の中国観を排すべきとき
1章 〔殷・周〕「中華思想」と「漢民族」の誕生―最古の王朝の成立と、「中国」を読みとくカギ
2章 〔秦・前漢〕侵略の中華帝国、ここに始まる―匈奴との対決、うちつづく西域への大遠征
3章 〔後漢・三国時代〕異民族の大反攻、「漢民族」の消滅―シルクロードをめぐる攻防から、空前の大混乱期へ
4章 〔隋・唐〕史上最大の中華帝国の成立―日本人が憧れた“文化国家”の隠れた素顔
5章 〔宋・元〕地に堕ちた中華の威光―ついにモンゴル大帝国の一地方となった中国
6章 〔明・清〕尊大と頽廃、悩める老大国―大皇帝たちの時代から、欧米列強に蚕食されるまで
終章 二十一世紀、中国の行方と日本―この覇権主義国家と、いかに接していくべきか