出版社内容情報
「イスラム国」の台頭、激発するテロ、軋むEU、トランプ登場…ローマ帝国滅亡を思わせる激動の時代、歴史は何を教えてくれるのか。
内容説明
イスラム国の蛮行、ヨーロッパの不協和音、押し寄せる難民、トランプ登場…大変動期の今こそ歴史に学ぶべきではないか。古代ギリシア、ローマ帝国、中世ルネサンスと、半世紀にわたって文明の繁栄と衰退を見つめ続けた著者が導きだしたものは。
目次
1(国産で来た半世紀;イタリアの悲劇;帰国してみて ほか)
2(一神教と多神教;ローマに向けて進軍中;テロという戦争への対策 ほか)
3(「保育園落ちた日本死ね」を知って;EU政治指導者たちの能力を問う;ローマ帝国も絶望した「難問」 ほか)
著者等紹介
塩野七生[シオノナナミ]
1937年7月、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。68年から執筆活動を開始。70年、『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』で毎日出版文化賞を受賞。この年よりイタリアに在住。81年、『海の都の物語』でサントリー学芸賞。82年、菊池寛賞。88年、『わが友マキアヴェッリ』で女流文学賞。99年、司馬遼太郎賞。2002年にはイタリア政府より国家功労勲章を授与される。07年、文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
170
塩野七生は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。日本人へのシリーズも4作目となります。あまり日本で報道されない欧州の状況も良く解ります。日本だけでなく、世界の政治家のレベルが下がってきているような気がします。現代にもマキャベリのような政治家が存在すれば良いのですが・・・塩野七生に日本初の女性首相になってもらえれば良いのかも知れませんが、無理だろうなぁ!2017/10/29
まちゃ
67
ヨーロッパから見た世界情勢、祖国日本への提言など、ウィットに富んだ内容のエッセイ集。心ある辛口の主張は、一読の価値あり。/ユーモアとは、人間の持つ資質の中でも最も高等なものではないか。/日本にとって最も重要なことは、二度と負けないこと。勝たなくてもよいが、負けないことだ。/政治の仕事は危機の克服2017/11/26
金吾
40
○歴史的視点から現代を解析しており、違うと感じるところもありますが終始一貫しているためわかりやすく面白かったです。スピーチを聞いたときに支離滅裂な状態になりましたが、ご本人も長時間話すとまとまらなくなると書いているのは少し微笑ましく感じました。また朝日新聞に対しては言われる通りであり、結果的に国際的に改善出来なかったと思います。2022/03/22
おさむ
38
文藝春秋の連載をまとめたもの。作家生活50年を超えてますます意気軒昂な塩野さんの放談は下手な遠慮がなく、論旨明快で気持ちが良い。与党びいきすぎるのだけは気になるが、まあそれも個性。異国で筆1本で生きてきた人の言葉は重みあり。一番面白かったのは、なぜドイツ人は嫌われるのか。イタリア人から見たドイツ人観がよくわかります。この1編だけでも一読の価値がありますよ。2018/01/31
まーくん
36
気分転換にと購入。長年、地中海世界を舞台にした歴史物語の著作に取り組まれて培った見識とイタリア在住の立場で身近に感じるヨーロッパ政治への分析・批判さらには日本の政治・経済への鋭い切込み。「なるほど」「そうだそうだ」と感ずること多々ありましたが、なんだかな??この先生には”時事放談”の爺さんのような言説は似合わない気がする。やはり今度は、読む者を歴史の舞台に引き込む、主観的解釈に満ち溢れた本来の著作を読むことに。で、本書、気分転換にはなりました。2017/10/14