文春新書<br> 安倍晋三「保守」の正体―岸信介のDNAとは何か

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文春新書
安倍晋三「保守」の正体―岸信介のDNAとは何か

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166611157
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0295

出版社内容情報

衆参両院で三分の二を確保した安倍総理。憲法改正を目論む権力者の思想は保守の名に値するものか。目の前にある危機を徹底検証。 衆参両院で3分の2の改憲勢力を確保した安倍総理は、本当に憲法改正に向うのか?

憲法改正は、安倍総理が「DNAをしっかり受け継いでゆく」と公言する祖父・岸信介の悲願でもあった。

しかし、あの戦争を始めた指導者の一人であった岸の思想は、本当に受け継いでゆくべきものなのか。

岸・安倍ファミリーの悲願は、われわれ国民を幸せにするのだろうか。



安倍総理を支えているのは、「保守」層である。しかし、一口で「保守」といってもいろいろある。

安倍総理が「脱却」すべきものとする「戦後レジーム」を築いた戦後の指導者たちも、また「戦後保守」と呼ばれる「保守」政治家なのである。

吉田茂、池田勇人、佐藤栄作、田中角栄……平和で豊かな戦後日本を作り上げた「戦後保守」から、どうしてわざわざ脱却する必要があるのか。

岸の思想の根幹は、「エリート主義」と「戦後体制の否定」である。そして、特攻の悲劇を、美しい日本人の物語として賛美する。このような思想を、現代に蘇らせる必要はあるのか。



戦後の保守政治家たちの思想と行動を検証しつつ、私たちの目の前にある危機を徹底的に考えた本書は、憲法改正議論前の必読書だ!

菊池 正史[キクチ マサシ]

内容説明

衆参両院で三分の二の改憲勢力を確保した安倍総理は、本当に「憲法改正」に向うのか。安倍総理が「受け継ぐ」と公言する祖父・岸信介の思想と、戦後日本を築き上げた「戦後保守」の思想とを検証しつつ、国民を幸せにするのはどちらの「保守」かを考える。

目次

第1章 岸信介の保守(反米;真の独立 ほか)
第2章 戦後保守(大衆とエリート;政治の大衆化と調整型リーダー ほか)
第3章 岸的「保守」の断絶(岸の後継者 福田赳夫;岸的保守の断絶 ほか)
第4章 異端児たちの挑戦(中曽根行革;コンセンサス政治の崩壊 ほか)
第5章 迷走する戦後保守(小泉構造改革;戦後体制脱却への可能性 ほか)

著者等紹介

菊池正史[キクチマサシ]
1968年、神奈川県横浜市生まれ。93年、慶應義塾大学大学院修了後、日本テレビに入社。政治部に配属。旧社会党、自民党など各政党を担当し、2005年から総理官邸クラブキャップ。08年から編成部、11年から報道番組プロデューサー等を経て現在は政治部デスク(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hatayan

42
『「影の総理」と呼ばれた男 野中広務 』の著者が戦後日本の保守政治を時の首相を切り口に解説する一冊。したたかにアメリカと外交交渉して戦後保守の道筋を引いた吉田茂から調整型の自民党政治をみごとに破壊した小泉純一郎まで。戦後保守は、豊かさや安全保障政策を求める自民党だけでなく平等や平和主義を求める社会党も重要な担い手でした。安倍が伝統や国家を語るときに振りかざす大義名分に隠れた真意は、「政治の主体は国家ではなく自由な人間である」とした社会契約論に立ち返ることで鮮明になると現役の政治記者として危機感を示します。2020/07/21

skunk_c

21
中堅ジャーナリストが岸信介と安倍晋三の連続(あるいは不連続)を探っているうちに、いつの間にか自由民主党を軸にした戦後保守政治の系譜をたどることになってしまったようだ。おそらく著者も「保守系」と思われるが、落ち着いた筆致とジャーナリストらしいバランス感覚で説き起こす保守の70年史は、コンパクトに整理されていると思う。岸を研ぎすまされた知性の持ち主としながらも、戦争を決断した閣僚が戦後権力に返り咲くことを批判する一方で、安倍の言動の問題点を冷静にえぐり出す。安易に右左、保守革新を峻別しない姿勢に好感を持った。2017/10/26

るな

3
タイトルから想像した内容とはかなり違っていたが、戦後の歴代政権の目指したことやその功罪など、大まかな政治の流れが解説されていて勉強になった。以前の自民党では後藤田さんや野中さんのような戦争体験者が、国民の平穏な日常を根こそぎ奪った戦争に逆戻りしないよう歯止めをかけていたことが分かる。現在はそういう存在がいないのが心配だ。筆者の時として熱っぽい語り口には、政治への真摯な向き合い方が感じられた。一番驚愕したのは、昭和10年の永田鉄山斬殺事件直後の現場に福田赳夫さん(当時30歳)が赴いたという事実である。 2017/06/19

そーすけ

1
102*タイトルが釣りだなぁ。安倍の話は、最後の数10ページのみ。戦後保守、戦後民主主義の危機。2017/03/25

かわチラ

1
岸信介から始まって、現在の安倍首相に至るまでの保守の系譜を理解するのに最適。2017/02/03

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