出版社内容情報
就活生が脅える「ブラック企業」の実態とは? 労働者を壊す会社の見分け方から、武器としての法律と交渉術まで、千件を越す実例から解説。
内容説明
違法な労働条件で若者を働かせ、人格が崩壊するまで使いつぶす「ブラック企業」。もはや正社員めざしてシューカツを勝ち抜いても油断はできない。若者の鬱病、医療費や生活保護の増大、少子化、消費者の安全崩壊、教育・介護サービスの低下―。「日本劣化」の原因はここにある。
目次
第1部 個人的被害としてのブラック企業(ブラック企業の実態;若者を死に至らしめるブラック企業;ブラック企業のパターンと見分け方;ブラック企業の辞めさせる「技術」;ブラック企業から身を守る)
第2部 社会問題としてのブラック企業(ブラック企業が日本を食い潰す;日本型雇用が生み出したブラック企業の構造;ブラック企業への社会的対策)
著者等紹介
今野晴貴[コンノハルキ]
1983年、宮城県生まれ。NPO法人POSSE代表。一橋大学大学院社会学研究科博士課程在籍(社会政策、労働社会学)。日本学術振興会特別研究員。2006年、中央大学法学部在籍中に、都内の大学生・若手社会人を中心にNPO法人POSSEを設立。年間数百件の労働相談を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
280
ちょっと違和感を感じる部分としては、ブラック企業=若者の問題となっている点。現在では、30代後半以上からの転職でブラック企業に食いつぶされるケースもかなりの数あると思うのだがどうだろうか。雇用者側のつぶしがきかなくなっている分、こちらの方が悪質であり、事情も少し変化すると思う。結局、新卒の段階で環境の良い企業での仕事を経験しても、終身雇用が崩壊している中で、どこかのタイミングで転職。そのタイミングが遅く、辿り着いた先がブラック企業であった…。こういう未来もありありと想定出来るだけに、偏った見方が気になる。2016/11/10
mitei
144
とても衝撃を受けた。ちょっと自分ももっと本書の言う戦略的思考を持てるようになりたい。2012/11/24
またおやぢ
74
企業は営利団体である。自らの利益を第一義に考え活動するのことがそもそもの成り立ちであり、活動を円滑に行うべく世の中を俯瞰し、活動を最大化すべく自らの社会における存在意義を探り、価値見いだし、人材を含めた資産を活用するものである。ブラック企業と呼ばれている企業を悪とするならば、その企業を成り立たせているものは何か?について、筆者は深く言及すべきであろう。
佐島楓
66
なぜブラック企業なるものが出現してしまったのか、その理由を知りたくて読む。だいぶ情報が整理された。日本型雇用の弱点と、日本人の美徳とされてきた資質を巧妙に利用する。社会構造をも破壊しかねない大変な問題である。2016/01/07
kinkin
63
少子高齢化が進む現代において、就活する側と雇用する側のミスマッチや 社員の使い捨て、仕事の無理な押しつけ、長期の残業etc、ブラック企業の6文字で済まされない数多くの問題を含んでいる。国全体としても真剣に 取り組んで行かなければ今後の社会は、いっそう歪さを増すと感じた。2013/07/25