内容説明
モンスター(関西では「輩」と呼ぶ)たちに、学校の常識は通用しなかった。「ゲリラ的コミュニケーション」で格闘するうち、「学校の常識」の方こそが特殊なのだと、彼らは教えてくれた。教育崩壊を最前線で死守する一教師のリアルでクールな戦況報告書。
目次
第1章 夜間定時制にようこそ
第2章 ゲリラ的日常
第3章 輩たちの文法
第4章 制服の魔力
第5章 蟻地獄
第6章 分かち合えない関係
第7章 赤を黒に変えろ―成績評価をめぐって
第8章 ノイズがメロディになるとき
著者等紹介
岩本茂樹[イワモトシゲキ]
関西学院大学社会学部任期制助教。昭和27(1952)年兵庫県生まれ。関西学院大学卒業、同大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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anco
4
夜間定時制高校での体験談。真正面からぶつかってくる教員と見かけだけの先生、教師の偽善性を生徒は見抜いている。臨界点を超えた無秩序は望んでいない、毅然とした態度が求められている。制服の序列、教師間の問題、法やルールの運用と適用をめぐっての裏と表などきれいごとではない教育論が書かれていました。2016/05/04
mk
2
定時制高校教師の豊富な体験談に基づく、きれいごとではない教育論。先生と生徒という枠に安住せず、ガチンコで相手の文脈を読み取って関係を作っていくと、こんなにたくさんのものが見えてくるのか。なにかまとまった結論が得られるわけではないけれど、そんなことより具体性が命の本。2009/08/12
oooともろー
1
この前に読んだ『本物の教育』よりこちらが「本物」?2016/06/29
そう
0
定時制高校の異文化を丁寧に描き出してくれた。エッセイ風で読みやすい。輩達の文化は全く馴染みがない異文化だけれど、先入観を持たず向き合って排除しない岩本先生の眼差しのおかげで、異文化を興味深く受け入れることができた。2011/08/12
最終バック九番手
0
直接かかわっている現場の人の話は説得力がありすぎ…自分では手を汚さずにどっかにメールでもして迷惑者を排除しようとする卑怯な人たちがこの本を読んだらどんな感想を持つのだろうか…第1刷発行:2009年5月20日…本体750円2009/06/14