文春新書
江戸城・大奥の秘密

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  • サイズ 新書判/ページ数 181p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166605767
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0221

内容説明

花園の役割は、お世継ぎづくりだけではない。大奥女中はエリート官僚集団。将軍と密着した政治力を幕臣は恐れ、社寺は参拝客誘致のため参詣を切望。―大奥を制する者は天下をも握る。

目次

第1章 大奥炎上―激動のはじまり
第2章 奥女中の謎の生活―虚実ないまぜの空間
第3章 絶大な政治力―伏魔殿の暗闘
第4章 逃げる大名―莫大な出費
第5章 寺社との蜜月―江戸の女性たちの外出
第6章 天璋院篤姫の輿入れ―伝説の誕生

著者等紹介

安藤優一郎[アンドウユウイチロウ]
1965(昭和40)年千葉県生まれ。歴史家。日本近世政治史・経済史専攻。文学博士(早稲田大学)。NHK文化センターなどで生涯学習講座の講師を務める。最近は、武士の生活文化の諸相について研究を進める一方、都心に残る江戸を追いかけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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シュラフ

19
江戸時代の大奥に長年勤めると退職後には手当がついたというのは新たな発見。本書によれば、30年以上の大奥勤めの場合、退職後にはサラリーである切米と衣装代である合力金のうち多い方、さらに扶養手当の扶持米も、一生支給される規定があったという。これは現在の年金制度と同じことではないか!・・・もっとも手厚い給付だったので幕府の財政をかなり圧迫していたとのこと・・・この年金制度の財政問題もまた現代と同じである。そんな彼女たちも明治維新後には手当がなくなったわけだから大変だったのだろうと同情してしまう。2014/11/18

雨巫女。@新潮部

9
《私‐図書館》大奥は、幸せな場所じゃなさそうだなあ。2011/05/23

ゆきこ

8
奥女中の生活や大奥の政治への影響力などを解説している一冊。実際に大奥で奥女中として働いていた桂川てやの親族による史料が引用されており、奥女中の生活がリアルに感じられました。また、大奥にかかる費用が想像以上に莫大で驚きました。煌びやかな世界の裏側が垣間見えるようでした。もっと関連本を読んでみたいです。2016/10/25

jj

6
2007刊。大奥の絶大な政治権力と賄賂。豪華絢爛な大奥の生活様式の原資は賄賂で賄っていた部分は少なくなかったという。高級官僚に倹約を求められても、その高級官僚も賄賂を贈っていたので説得力がない。諸々の有名な改革の最大抵抗勢力は大奥であったという。また諸国大名が将軍の娘を輿入れすると、膨大な経費が掛かり、藩の財政悪化を招くという。大奥に莫大な賄賂を贈って輿入れ免除してもらう方が、遥かに経費削減策となったというのは笑える。寺社のブランドイメージ造りと大奥との蜜月関係など含め、素直に楽しめる内容でした。 2019/10/05

柚桜

5
桂川てやという少女の話が一番心に残りました。12歳で大奥入りし広大院づきの御中臈まで昇進した才女。大奥から出火した大火事で一度逃げたにも関わらず御台所より逃げ遅れた花町の安否を見てくるよう言われ火の中に戻り殉職してしまう女性です。燃え盛る火を前にして覚悟を決め「これから自分は火の中に入り花町様の所に参ります。もし燭台を握っている死骸が出てきましたらそれは私でございます」と言い残し炎に身をさらしていったてやの気持ちはいかほどか。歴史の大きな変化には必ず大奥の圧力がかかっていたんだなと窺える資料でした2014/08/27

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