内容説明
平安貴族も戦国の武将も、親子関係はままならない。不肖の息子から鳶が生んだ鷹まで、日本史を騒がせた父子を見直し、そこに浮かび上がるヒーロー達の素顔をとらえ、時にシニカルな評を随想する一冊。深慮の武田信玄と粗忽の勝頼、蝮の斎藤道三と父親しの義龍、戦略家の真田昌幸と悲運の幸村、ついに御番入りできなかった勝小吉と出世街道をひた走った海舟、暗殺された犬養毅と指揮権発動の健など、血の宿命に翻弄された十六の物語をお楽しみ下さい。
目次
第1章 不肖の息子(伴大納言と中庸―子は父の短所の反映;武田信玄と勝頼―度の過ぎた深慮と粗忽 ほか)
第2章 似たもの父子(宇喜多直家と秀家―父子共通の強靱なサーバイバル精神;頼山陽と三樹三郎―父の過激な面を受け継いだ息子 ほか)
第3章 愚父・賢子(佐々木導誉と高秀―我がまま放題の父、頼れる息子;斎藤道三と義龍―蝮の父、人間的な息子)
第4章 憎悪・敵対する父子(藤原忠実と頼長―父の溺愛の限界;足利義満と義教―父の気紛れと息子らの反発)
第5章 別個性の父子(後醍醐天皇と護良親王―父の打算、息子の甘さ;楠木正成と正儀―潔い父、とことん諦めない息子 ほか)
著者等紹介
森下賢一[モリシタケンイチ]
1931年横浜生まれ。東京外国語大学卒業。会社勤務(タイ・インドネシア駐在)を経て1963年パリ大学留学
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