内容説明
「行蔵は我に存す、毀誉は他人の主張」―元幕臣が新政府で名利を得るとは、と福沢諭吉に非難された勝海舟が答えた言葉。行蔵とは出処進退の意である。世の称賛も悪口も我関せず、自らの信ずる道を歩んだ、二十世紀の一〇二人。生きる意味を教える、と中学生をさとした会津八一。政党は腐敗せず人民は安楽せず、と皮肉った山崎今朝弥。思うことが言える世の中なら何も言うことがない、と言った正木ひろし。痛快極まる彼らの生涯と寸言。
目次
長谷川如是閑―われひとり
陸羯南―子規の「慈母」
花森安治―暮しの変革
竹久夢二―鳥やゆくらむ
山本宣治―孤塁を守る
河上肇―獄裏の人
西田幾多郎―黒板の前と後
鈴木大拙―わしゃあ、わからん
開高健―見るだけ
中原中也―霰の如く散る〔ほか〕
著者等紹介
出久根達郎[デクネタツロウ]
1944(昭和19)年、茨城県生まれ。73年より東京都杉並区高円寺で古書店「芳雅堂」を営むかたわら文筆生活に入る。92年、『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞を、93年、『佃島ふたり書房』で直木賞を受賞
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