内容説明
炊き立てのご飯に味噌汁、そして白菜の漬物といえば日本人の朝食の定番。だが白菜が日本に入ってきたのは明治時代のことだった。一方、韓国料理に欠かせない唐辛子は、一六世紀に日本からもたらされた。「羹に懲りて膾を吹く」が、トルコでは「ミルクでやけどをした人はヨーグルトを吹いて食べる」となる。「フレンチ」・フライはベルギーが発祥の地、スープはもともとパンだった―人が日々口にしている食べものには、各民族の歴史がつまっているのだ。
目次
第1章 世界を変えた新大陸の食材(南米生まれのジャガイモ;ある農学者のジャガイモ普及作戦 ほか)
第2章 料理の国籍(ハンブルクにハンバーグ・ステーキはなかった;ステーキは串焼き? ほか)
第3章 食べものの起源と語源(ローマ軍が発見したサクランボウ;モモはペルシア? ほか)
第4章 美食家にちなんだ料理(エピクロスは美食家ではなかった;豪華な食事をルーカランというわけ ほか)
第5章 食をめぐることわざ(パンは生活の糧;エジプト人はパン食い人、ローマ人は粥食い人 ほか)
世界の料理小事典
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomomi Yazaki
18
トマト、ジャガイモ、インゲン豆、唐辛子などなど、世界で使われている食材。それが全て南米原産。知ってはいたけど、歴史を踏まえて解説されると、その素晴らしさに驚きを隠せない。本書では、そんな食材を使った様々な国のバラエティーに富んだ料理を紹介する。フランス料理、中国料理、そしてトルコ料理。いわゆる世界三大料理。でも今、世界を席巻するのは和食。複雑なフランス料理とは異なり、食材の味と姿を自然に活かし、目で、鼻で、そして舌で楽しむ食。世界の料理もいいけど、やはりそこは日本人。手前味噌でも、選ぶとしたら和食です。2022/02/08
リキヨシオ
17
食にまつわる知識が満載!人類の歴史と食の関係性の高さが分かる!…ことあるごとに再読しよう!ジャガイモは歴史を変える偉大な食べ物だったなんて…ジャガイモ、すごい!2015/06/12
びっぐすとん
13
『~の世界地図』シリーズ。面白かったけど、ちょっと地域に偏りがあるかな(このシリーズはどれもその傾向があるけど)。欧米の料理には深いけど、その他の地域は表面的。特にアフリカや南洋諸島などはほとんど説明が無い。一口に「食」と言っても中身は広範になるからこのシリーズで纏めるのは難しいのかもしれない。「○○料理~風」の説明にページを割きすぎた感じ。「主食」「調味料」「禁忌・マナー」など何かテーマを絞って、それについての世界中の食文化を比較した方が、このシリーズの意図らしくて良かったと思う。2018/03/02
late
12
食に関する雑学本。食のルーツや料理同士の意外なつながり、料理名のいい加減さなど面白い話が詰まっている。一回で全てを網羅するタイプの本ではないので、これから何回も読み直すことになりそう。個人的に最近熱いのはミャンマー料理とイスラエル料理なんだけど、これを読んでモロッコ料理も食べてみたいと思った。特に「モロッコ人的食べなきゃ人生損してる食べ物ランキング」堂々の一位であるバスティラが気になる。後はトルコ料理も久々に食べたい。あぁ、こんな時間に感想書くんじゃなかった。腹減ったからプッタネスカでも作ろう。2019/01/12
読書実践家
11
食の原産地からその料理方法まで多岐にわたって紹介。2016/04/29
-
- 和書
- めまいの正体 文春新書