出版社内容情報
人々を狂愚にも崇高にもする不思議な感情「愛国心」。その正体は?そもそも「クニ」とは何か?フランスと日本を合わせ鏡にして考える
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
27
EUの根底にローマ帝国への夢があるのに対し、日本書紀に発する八紘一宇はせいぜい列島を一つの家にする程度の夢らしい。ペリー来航により目覚めた日本人の愛国心は、いつしか帝国幻想に憑かれて無限の欲へ膨らんでいった。そういう我々自身の心の来歴を辿り、愛国心について考え直すべきだという。それにしても、神風後続隊に入り「国のために死のう」と考えていた篠沢少年はあまりにも真っ直ぐすぎる。健気さには打たれるものの、玉砕に散った命のことを思うと賛同はできない。でも、文学者の使命として国への思いを語る教授の姿勢には感服した。2013/11/24
金吾
21
フランスと対比しながら愛国心について語っています。9条の分析はなかなか面白かったです。私自身は家族愛ににたようなものという認識を持っています。2023/12/20