文春新書
囲碁心理の謎を解く

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  • サイズ 新書判/ページ数 213p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166603046
  • NDC分類 795
  • Cコード C0276

内容説明

天才型の武宮正樹や依田紀基でもポカをするのはなぜか?左脳が働かなくなるとどんな碁になる?兄と弟で棋風が違うのはなぜ?『ヒカルの碁』で佐為が突然消えてしまうのはなぜ?さらに紫式部と清少納言の棋力を推定すると?また「門」をなぜゲタと読むようになったかなどの囲碁史の謎から、江戸川柳の解明まで、無意識心理学の視点も交えて囲碁界のさまざまな「?」を解き明かす。

目次

1 囲碁の効用は?
2 棋士の心理を解き明かす
3 碁好きの式部と少納言
4 囲碁史の謎に迫る
5 江戸囲碁川柳の謎解きに挑戦

著者等紹介

林道義[ハヤシミチヨシ]
1937年、長野県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院経済学部研究科卒。経済学博士。現在東京女子大学文理学部教授。日本ユング研究会会長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kokada_jnet

52
著者はユング派心理学者で2003年の刊行本。1993年刊行の「囲碁の深層心理学」の改訂版的な内容。1章は囲碁を学ぶことの心理学的・脳科学的効用について。2章はプロ棋士のタイプごとの、対局時の無意識な心理の分析。3章は紫式部と清少納言の著作による、囲碁愛好度や棋力の分析。4章は現代語訳がされていない鎌倉時代の書「囲碁式」の内容紹介。5章は江戸の囲碁川柳の紹介・分析。実に多彩な話題で、秀逸な本だった。2023/04/09

壱萬参仟縁

3
経済学博士による心理学で今日的な社会事象の分析としてユニーク。「碁打ちには、布石の構想や中盤の戦略に意を用い、大きなエネルギーをさいて工夫するタイプと、布石は無難に打っておいて、後半戦とくにヨセで抜きさろうという作戦を取るタイプとがある」(49ページ)。人生ならどうか。人生逆転はなかなか格差社会の呪縛でムリだが、それでも囲碁の戦略からも学ぶ処世術はあると思われた。2012/08/07

KJ

2
ヒカルとは「自我」であり、佐為とは「自己」である。自我の成長に伴って自己は消失する運命にある。こうして捉える事によって、両者の関係性が鮮やかに見えてくる。これに限らず、囲碁を心理学という視点から見つめる手法は中々面白い。棋士には現実型と着想型があり、それは心理学における意識と無意識の関係性にも通ずる。両者のバランスがあってこそ強い碁が打てる様になる。「囲碁式」姑息な心理的駆け引きもあれば、立派な礼儀についての記述もある。数百年前の人間が思い悩んで導き出した答えが、色褪せずに現代に通じている事が実に面白い。2015/10/06

Songtao Lin

2
予想通り、おもしろくて一気に読み終わった。 囲碁には人生の道理があると思っていたが、作者は無意識から分析した。不思議な負けの裏にユング心理学の言うコンプレックスがあったと言う。趙治勲や武宮正樹の少年時代まで遡るところ、本人が読むとどんな反応かと知りたくなる。ここは心理学者の特権であろう。 興味深いのは、碁石の黒と白の逆転の話。確かに中国の道教思想の中では、玄(黒)は母なる存在であり、万物が生まれる所。問題はなぜ、白が上になったのか。作者の答えはなんとなく白がよいだった。そうかもしれないが、素直(すなお)と2014/09/02

poxxqwr

1
親の育て方で打ち方が変わる、非日常の碁の世界に徹底しすぎると、その態度の欠陥が碁の世界にも影響を与える、みたいな心理的なお話も面白かったし、『源氏物語』『枕草子』のも良かった~!!最初のほうの心理のお話は特に、過去にプロ棋士にインタビューしたことがあったのでそのインタビュー内容を今更思い出してしまった、、インタビューする前に読めばよかったかも、、2022/05/07

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