内容説明
華夏文明の揺籃(ゆりかご)といわれる「中原」の大地は、考古、歴史、文物とともに「名言のふるさと」でもある。伝説時代の黄帝や愚公から、「酒池肉林」の果てに亡びた紂王、「周の粟を食らわず」として餓死を選んだ伯夷・叔斉、「喪家の狗」といわれながら弟子と苦難の旅を続けた孔子、「中隠」を楽しんだ白居易、そして「実事求是」の毛沢東まで積世の名言・故事成語が各所に残されている。その「真実の声」を、発せられた現場で聴こうと歩を運んだ。
目次
第1章 洛河の陽の地に興る
第2章 黄帝の夢と愚公の行
第3章 老子周都を去り、孔子陳蔡に説く
第4章 諸子百家が歩んだ道
第5章 三国を生きぬく英傑の志
第6章 唐人「心火」の叫び
第7章 中原の春風に座すが如く
著者等紹介
堀内正範[ホリウチマサノリ]
1938年東京生まれ。早稲田大学文学部で東洋哲学を専修。卒業後、朝日新聞社に入社。事典、美術書などの編集にたずさわり、『朝日現代用語知恵蔵』の編集長も務める。1994年早期退社して“初志”の地である中国中原に入る。洛陽外国語学院外籍教授を経て、同学院日本学研究中心研究員。かたわら洛陽・鄭州を中心に中原地域の歴史文物を探査。国際龍門石窟研究保護学会本部顧問
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