内容説明
もう一度来たい江戸趣味小玩具店・助六。東洋趣味を基調とした百貨店・日本橋〓島屋S・C・本館。時を受け渡す古書店・一誠堂書店。日本で最初にできた教科書図書館・東書文庫。人の縁と思いが繋ぐオフィスビル・第2井上ビル。夕暮れがうつくしいカフェ・カフェおきもと…関東大震災後に生まれた「近代東京」の街と建物から、都市の熱気、人々の思いが見えてくる。「建物」から街と人の暮らし、時代性を探るビジュアル探訪記。変わり続ける東京の“原点”を知る、1920s~30sの復興建築130以上を収録。建築MAP付き。
目次
INTRODUCTION(関東大震災から復興へ;帝都復興計画とは ほか)
THEME(土地区画整理;街路 ほか)
INTERVIEW(助六;日本橋〓島屋S.C.本館 ほか)
ARCHITECTURAL MAP(日本橋エリア;銀座・新橋エリア ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
80
横網町公園に関東大震災関連で行ったことがあります。その場所で巨大な火災旋風により3万8千人が亡くなった、というすさまじさ。 震災後に復興された東京の建物。モダンな感じ。 国立の和風洋館、カフェおきもと、は観に行きたいナそのうち。2021/04/25
ツキノ
21
「味なたてもの探訪」シリーズ。復興建築とは「関東大震災後から戦前までに東京で建てられた鉄筋コンクリート造の建築・建造物。帝都復興で生まれ変わった東京の街の様子が写真・データでわかる。これまでの2作同様、インタビューも魅力。今回さらっと読みなのだけれど、いずれじっくり読みたい。2021/02/20
Nonberg
11
都心を歩いていると、屹立する現代建築のはざまでレトロな建築と巡り合うことがある。大正12年(1923年)の関東大震災を機に、災害に強い帝都を目指して復興が進められ、大正末から昭和初期に建てられた鉄筋コンクリート造のモダン建築だ。本書は、前半を帝都復興計画と公共的施設、後半を、銀座、日本橋、神田、浅草といったエリアごとに、いまに残る数々のモダン建築を紹介し、街歩きをガイドしてくれる。震災から約100年。空襲の猛火を潜り、近年は老朽化の問題と再開発の荒波に揉まれ、生き延びてきた貴重な歴史の証言者である。2021/04/12
ゆ
9
関東大震災からもうすぐ100年を契機に、耐火、耐震を目指したコンクリート造の復興建築を豊富な写真つきで紹介。中にはそこで生活した、商売してる人のインタビューも紹介されていて、ストーリーをより深く味わえる。 解体されたものも紹介されており、ありし日の街角風景などに思いを馳せる。特にカフェおきもとへは行ってみたい。2021/01/11
hitotak
6
関東大震災後の東京に建てられた、数々の建築物を集めた一冊。地震・大火で甚大な被害があった後だけに、堅牢な鉄筋コンクリ造りが多い。今も現役で使われているモダンな建物の数々の写真は見ていて飽きない。年月を重ねたことで醸し出す雰囲気は、新築のキレイな建物には出せない味がある。玄関や柱に施されている彫刻やレリーフなどの隠れた見せ場も紹介されている。老朽化などで取り壊されていく建物も多いなかで、次代へ残そうという機運もあるようでほっとする。実際に行って建物を見てみたいと思った。2021/07/10