内容説明
明治二十三年から昭和二十二年までの五十六年間に計九十二回の帝国議会が開かれた。波瀾万丈の時代を象徴するように、議会の中も決して平穏ではなかった。数度の炎上あり、浸水あり。議員はしょっちゅう殴られ負傷する。勝手に登壇する議員がいる。かと思えば、議場に花札やビラ、はては馬糞や蛇まで投げ込む傍聴人がいる…。その警備にあたった守衛たちが記した日誌や報告が残っていた。それらの記録から覗いた帝国議会の裏面史。
目次
第1部 明治期の議会(帝国議会の開幕;予算案をめぐって;守衛と守衛長)
第2部 大正期の議会(大正政変;集団陳情の傾向;シーメンス事件おこる ほか)
第3部 昭和期の議会(陸軍機密費事件;金融恐慌と若槻内閣の退陣;最初の普通選挙 ほか)
著者等紹介
渡辺行男[ワタナベユキオ]
1926(大正15)年福岡県生まれ。明治大学文学部中退。衆議院事務局に入り、1977年より憲政記念館で憲政資料の調査・収集・展示に当る(企画調査主幹)。のち福岡県豊前市立図書館長を経て著述業
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感想・レビュー
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depo
2
積読本。帝国議会時代、いかに議員同士の乱闘や傍聴席からの投げ入れが多かったことか、驚くばかり。それにしても守衛長が事細かに記録をしていたことか、これも驚くばかり。なお、犬養毅について、この毅は一般に「つよし」と呼ばれているが、本書によると、犬養が衆議院に提出した自筆の履歴書には「つよき」とルビが振ってあったという。本当はどう読むのだろうか。2021/01/03
いちはじめ
0
帝国議会の守衛たちの残した日誌や報告書を通して読み解く試み。面白いが、引用が多いので読むのは一苦労2004/11/19