内容説明
アメリカの十年に及ぶ好況はニュー・エコノミーともてはやされ、IT革命の成果による繁栄と謳われて、日本経済の停滞をこの革命の立ち遅れに求める見方が多かった。だが、果してそうだろうか。本書は情報の歴史を経済的側面からたどり、その最新段階としてのIT革命を分かりやすく分析。それがもたらす経済社会と新しい経済学への変貌を描くことで、IT革命の日本的展開のありかたを明示する。IT社会を生き抜くための、この一冊。
目次
第1章 歴史の中の情報エコノミー(前情報社会;第一情報社会;地球ネットワークの時代;新段階としてのIT革命)
第2章 IT社会の経済学(基本的性格をどう捉えるか;「知価社会」化は起こらない;一物一価への道―B2Bはデフレにつながる;変わる後発国発展の枠組み)
第3章 ニュー・エコノミーの誤算(「千年王国」はどのように出現したか;IT革命対資源・エネルギー経済;ニュー・エコノミーが残したもの)
著者等紹介
吉川元忠[キッカワモトタダ]
1934年、兵庫県に生まれる。58年、東京大学法学部を卒業し、日本興業銀行に入行。産業調査部副部長などを歴任した後、コロンビア大学客員研究員を経て、現在、神奈川大学経済学部教授
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