出版社内容情報
聖書にはほんの僅かしか記述のない聖母マリア。彼女はどのようにしてイエス・キリストその人を、はるかにしのぐ大衆的信仰をかちえたか?
内容説明
二十世紀になってからも四百回を越える「ご出現」。伝えられる事績は奇蹟の治癒ばかりではなかった。母性、エロスの象徴として男たちの憧憬の的に。かと思えば、古くは国王の軍神、冷戦下には自由の女神。聖書には僅かの記載しかない宗教界不世出のヒロインは、いかにしてイエスその人を凌ぐ大衆的人気をかちえたのか。さらにまた、イスラム教のマリアとは?―人間の本性に宿る「母なるもの」への希求の物語を、数多くの故事・伝承と絵画で紡ぐ。
目次
第1章 マリア讃歌
第2章 処女懐胎の謎
第3章 イエスの誕生
第4章 描かれたマリア
第5章 聖母伝説の形成
第6章 「奇蹟」のマリア