文春新書
面白すぎる日記たち―逆説的日本語読本

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166600427
  • NDC分類 915
  • Cコード C0295

出版社内容情報

世間への愚痴ばかり綴った古川緑波、病床グルメの正岡子規など、藤原定家から大宅壮一まで日本人の日記の興味深い部分を堪能する

内容説明

徳冨盧花の破天荒の自己暴露、赤裸々な性描写を妻に気づかれぬようローマ字で綴った石川啄木、落ち目になってから世間への愚痴ばかり書いた古川ロッパなど、日記のさわりを覗いて楽しもうという趣向です。藤原定家から山田風太郎まで、木戸幸一や小津安二郎のほか、主に近代以降の日本人たちが大勢登場します。日記はいつ書かれ、なぜ隠し、なぜ天候にこだわるのか、といったキーワードを軸に震災・獄中・病中日記から夢日記も含め、多彩な人々の日記を味わいながら、日本語の妙技も逆説的に堪能できる本。

目次

第1章 日記はいつ書くのか
第2章 天候・気象のこだわり
第3章 災厄の中で―震災日記・獄中日記・病中日記
第4章 日記はなぜ隠すのか
第5章 夢日記の魔力
第6章 同日日記の並べ読み
第7章 文語体・候文・口語体
第8章 戦いのさなかで
第9章 日記にあらざる日記

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くさてる

22
主に近代以降の日本人によって書かれた日記のさわりを紹介して楽しむ内容。わたしも作家の日記は大好きです(フェイバリットナンバーワンは筒井康隆)が、この本ではそれ以外のジャンルの人々の意外な日記も紹介されていて、面白く読むことが出来ました。日常の記録や素の人間の気持ちが現れることが多い面白さ。これからも色々と読んでいきたいです。2015/06/16

kochi

18
自身の日記帳は、三日坊主の象徴となりはて、あまり思い出したくないのだが、バラエティに富んだ日記が、これでもか、これでもかと紹介されている本書を読んでいる間は、そんな嫌な思い出も忘れていられるf^_^; 啄木のローマ字日記にあんなことが書いてあるのだったら、読めばよかったとか、戦犯として巣鴨プリズンに収監されていた木戸と重光の日記の対照が、誠に面白いとか、まさに、日記をこよなく愛する著者の言うとうり、日記とは「ライフ」のあかしなのかもしれない。さて、部屋に眠るあの日記帳はどうしたものか^_^2015/10/25

ちくわん

17
1999年5月の本。いろいろな「日記」が紹介されている。記録、特に戦争、としての日記の意義・役割は大きい。一次資料の重要性。一方、個人としての日記、本書前半で紹介、は隠したいのか/見せたいのか、本当なのか/創作(妄想)なのか、この微妙さに心引かれる。いずれ人間が生活の中で紡ぎ出す「日記」の素晴らしさを教えてくれる。ただし「面白すぎる」訳ではない。やはり文春のタイトルは…過ぎる。2020/01/04

misui

11
日記に書かれている内容はもとより、その形式がなぜ選択されたのかまで考えるならさらに情報量は増す。心理と生理の襞まで記録されてしまうわけでなかなか恐ろしいものだ。そしてそのような日記を読む効能のひとつに「ほかの人はこんなことをするのだろうか」という不安感の解消が挙げられていることに深く頷く。病中日記や性日記、夢日記に戦中日記まで実にいろんな日記がある。2018/10/25

三柴ゆよし

10
日記=三日坊主のイメージが定着してる私としては、何十年も休まず日記をつけ続けたなんて話を聞くと、素直にすげエ! と感動してしまう。世の中にはそんなすげエ人たちがたくさんいて、本書はそんな他人様の生きた記録を、有名無名問わずつまみ食いできる、おもしろい本。「1月1日(晴)」式のありがちな記述が、実は日記に強固なフレームを与え、それが書き手の精神ともリンクしているという主張は特に興味深いのだが、けれどブログ文化全盛の現代では、こうした日記の形式自体が変容しつつあるのではないかな、ということをぼんやり考えた。2012/02/01

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