出版社内容情報
80周年記念出版 みずからの功を秘し、ついには隠者となった男
放浪の公子重耳の臣下として潔癖をつらぬいた無垢そのものともいうべき男。重耳が君主の座につくや、身を隠し影と化して消えた
担当編集者より
小ぶりながら、先月配本された量感あふれる名作「重耳(ちょうじ)」と一幅対なす姉妹篇。その作品世界は透明な哀感とでもいうべき純一な情趣にみちています。独りひっそりつきあうべき作品かもしれません。礼をつらぬき苛烈に生きる公子重耳に一個の聖人を見、私心をすてて身を奉じ、その功さえ秘した棒術の名手介子推。流浪のすえ重耳が地に足をおき政治という現実にふみだすや、幻滅にさいなまれ山中に身を隠す。いたましいほど無垢な魂の物語です。(MK)
内容説明
重耳の臣下にありこの人物ほど純一な魂の主はない。私を捨て自らの功を秘し、果ては山中に身を隠した男の、哀切きわまりない生。巻末特別書きおろし―春秋名臣列伝「楚の〓艾猟」。