出版社内容情報
黒い画集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
50
「凶器」はロアルド・ダールの某作品を思い出す。あれを足元に落とすと痛いのは確かです(笑)「濁った陽」は第三者の好奇心が被害者を出してしまったという事実が苦い。「草」は最後まで読むと納得の題名。松本清張作品にしては毛色がかなり、異なるクライム小説です。2024/01/17
gtn
25
「遭難」の一篇。山岳小説としても面白いが、何より著者が、"未必の故意"には寛容であることが分かり新鮮。「坂道の家」は、やや冗長、かつ、女に裏切られ続ける男に救いがなく、読後感が良くない。後書きに「このころ、私は頻繁にバーやキャバレーの「見学」をはじめていた」とあり、その理由が何となく分かった。要は、破滅願望を持つ主人公は、著者の分身なのだろう。だから、恥ずかしげもなく主人公に復讐劇を演じさせることに躊躇したのでは。2022/11/05
グラスホッパー
11
松本清張全集4。「遭難」「坂道の家」「紐」「天城越え」「証言」「寒流」「凶器」「濁った陽」「草」昭和33年から『週刊朝日』に1年9か月連載された。さまざまな風味の短編で、人間の色と欲が描かれている。巻末の著者あとがきまで完成された社会派ミステリの傑作だ。おもしろかった。2024/03/30
四面楚歌
5
まさかアレが「凶器」になるとは2023/02/06
アンディ・ワイス
4
内容は9編の小説。週刊朝日に連載したもの。いずれもひねりがあり、結末に意外なところがあって面白い。2021/09/05