内容説明
通称・ヴァンパイアウイルスに感染し、太陽の下で活動できなくなった刑事の岬田は、その代償として研ぎ澄まされた五感を手に入れた。岬田は、警察と犯罪者たちの思惑に翻弄されながら、ウイルスを感染させた元恋人を捜そうとするが―。著者史上、最も孤独で美しいヒーローをフルスロットルで描く、待望の新シリーズ!
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年愛知県生まれ。1979年、『感傷の街角』で小説推理新人賞を受賞し、作家デビュー。1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門を受賞。1994年『無間人形 新宿鮫4』で直木賞を受賞する。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年、これまでの業績に対し、日本ミステリー文学大賞が授与される。2012年『絆回廊 新宿鮫10』にて、四度目の日本冒険小説協会大賞を受賞する。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞。2022年紫綬褒章受章。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
172
大沢 在昌は、永年に渡って新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の新たな刑事シリーズ?ということで期待して読んだんですが、コロナ・ウィルス同様、有耶無耶になりような、ヴァンパイア・ウィルス刑事でした。 https://www.suirinsha.co.jp/books/detail16.html2024/11/19
パトラッシュ
141
孤独な単独捜査を強いられる優秀な刑事とは『新宿鮫』と同じだが、謎の伝染病で昼間に動けないのは大沢さんも特殊設定に挑戦したか。ただリアル重視のハードボイルドに非日常性を持ち込むのは、物語の前提がリアルではないと公言するようなものだ。主人公の岬田は普通の捜査をしており、特殊な状況によるドラマ性に乏しい。ウイルスの侵された人びとだけが生きる夜の世界の造形も厳しさが足りず、現役警官も参加する感染者差別団体の跳梁もドタバタ騒ぎ立てるだけに思える。アイデアは面白いが、それをエンタメに生かす想像力と工夫が欠けていたか。2025/02/26
aki☆
50
大沢作品は500ページ超えも多い中、本作は約半分。自ずと期待値も半分になっていたのでそれなりに楽しめた。主人公の刑事岬田は犯罪者からは憎まれ同僚からは疎まれ、直属の上司しか味方がいない。これじゃどうしたって『新宿鮫』と比べちゃう。でも独特な設定は嫌いじゃなかった。新種のウイルス、感染による症状、それにより起こる事件の数々。岬田や前川課長も結構好き。シリーズになるなら追いかけたい。というかこのラストは続編あるよね?2025/01/10
海の仙人
44
未知のウイルスに感染し、夜しか活動できなくなった刑事サキと中国情報部工作員?のマコがウイルステロを目論む組織を追い詰めていくが…。この終わり方からして既に続編が予定されている雰囲気。たくさんの謎が徐々に明かされるであろう次作を楽しみに待ちましょう。2024/12/23
drago @4月は名人戦。
33
主人公・岬田刑事がヴァンパイア・ウイルスに感染し、夜にしか活動できない刑事に…。 ◆ここまでは、フィクションとしてまだ耐えられる。出だしはハードボイルド的で良かったのだが…。 ◆中盤、「無常鬼」とか「ヴァン・ヘルシンク」といった組織が出てきた辺りで、ついていけなくなった…。以後は飛ばし読み。 ◆大沢親分、こんなファンタジーみたいな警察小説を書いてたら、三文文士に戻っちゃいまっせぇ~。 ☆☆2024/12/26