YABUNONAKA―ヤブノナカ

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YABUNONAKA―ヤブノナカ

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  • サイズ 46判/ページ数 528p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163919683
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

性加害の告発が開けたパンドラの箱--

MeToo運動、マッチングアプリ、SNS……世界の急激な変化の中で溺れもがく人間たち。対立の果てに救いは訪れるのか?
「わかりあえないこと」のその先を描く、日本文学の最高到達点。

「変わりゆく世界を、共にサバイブしよう。」--金原ひとみ

文芸誌「叢雲(むらくも)」元編集長の木戸悠介、その息子で高校生の越山恵斗、編集部員の五松、五松が担当する小説家の長岡友梨奈、その恋人、別居中の夫、引きこもりの娘。ある女性がかつて木戸から性的搾取をされていたとネットで告発したことをきっかけに、加害者、被害者、その家族や周囲の日常が絡みあい、うねり、予想もつかないクライマックスへ--。

性、権力、暴力、愛が渦巻く現代社会を描ききる、著者史上最長、圧巻の1000枚。
『蛇にピアス』から22年、金原ひとみの集大成にして最高傑作!

内容説明

性被害の告発が開けたパンドラの箱。文芸誌元編集長の木戸悠介。その息子で高校生の越山恵斗、編集部員の五松、五松が担当する小説家の長岡友梨奈、その恋人、別居中の夫、引きこもりの娘。ある女性がかって木戸から性的搾取をされていたとネットで告発したことをきっかけに、加害者、被害者、その家族や周囲の日常が絡みあい、うねりはじめる。出版界を舞台に性、権力、果カ、愛につき動かされる人間たちのドラマは予想もつかないクライマックスへ―。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

109
今年のベスト本かもしれない。読後感が凄い。50代のくたびれた元編集長の木戸悠介の時代に取り残された感も、小説家の長岡友梨奈のぶっ飛び方も、そして木戸を告発する元恋人や同じ編集部員の五松、息子の恵斗、友梨奈の恋人一哉と娘の伽那、離婚に応じない夫との会話や考えのすれ違いがリアルに感じて、そもそも人と人とは分かり合えないのだという諦念と、社会と理想との乖離を小説にする仕事に関わっていることで救われることとそれによって死に向かうこともあるという矛盾を思う。著者がリアルに離婚したことも本書の内容に影響してると思う。2025/05/07

美紀ちゃん

74
色々な人の視点で描かれているが、結局、長岡友梨奈の話だった。伽耶の章あたりから面白くなりぐんぐん読んだ。2年間引きこもりで足の裏がふわふわだったのが外に出始めた瞬間からどっと硬くなった。ふわふわな足は多分歩き始める前の赤ちゃんと引きこもりにしか手に入らないものなのだというトリビアが印象的だった。「正しさ」について理解はできるが、周りに合わせて曖昧に生きている方が楽。でもそれを許さない長岡さんは、周りが困惑するほど「正しさ」や正義についてまっすぐだった。凄まじさを感じた。急展開な結末にびっくりした。中学校×2025/05/20

pohcho

69
出版業界や大学でのセクハラを中心に、告発者、告発された元編集長、40代の女性作家とその恋人、作家の大学生の娘、元編集長の高校生の息子など、性別も世代も様々な八名の視点で綴られる物語。ここ10年くらい性加害が告発されるようになり世の中変わってきたようではあるけど、まだまだ声を上げた人に対する風当たりはきつく。そんな現状を盛り込みながら、それぞれが決してわかりあえることはない世界を描いて現代社会の縮図を見るようだった。タイトル通りすべては藪の中。なんとも凄まじい小説。金原さんは一体どこまで行くんだろうか。2025/05/09

ヘラジカ

68
このテーマ、しかも日本文学に、ここまで没頭してしまうとは思いもしなかった。随分と物々しい題名ではあるが読み終えた後には断言出来る。これは間違いなく現代の”藪の中”だ。登場人物全員が生身の人間で、思考も行動もすべてが活きていて、どの瞬間を切り取っても虚構というものがない。目まぐるしく変わる視点、世界観がこちらの感情をぐるぐると撹拌しても、そこには必ず拒絶しようがない「自分」がいて、だからこそズタズタに心が切り刻まれてしまう。なんという凄い作品、なんという凄い作家だろう。慄いた。紛うことなき傑作である。2025/04/14

竹園和明

50
立場を利用した様々なハラスメントが問題視される今の時代に金原ひとみが投じた強烈作!。主に7人の視点から、被害者、加害者、関係者らが種々のハラスメントを語り、複雑に絡んだ関係性が問題の根深さを炙り出す。何事も時代が変われば解釈も変わるが、その変化を察知する感性には個人差があるだろう。パワハラ、セクハラ、モラハラについての意識は世代間でも大きな隔りがあり、立場や程度の濃淡で適正/不適正の線引きも曖昧になる。まさに藪の中的混沌。それらを完璧に盛り込んだ現代版『藪の中』。今年を代表する作品になる事間違いなし!。2025/04/23

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