内容説明
伝説のラーメン職人・山岸一雄(旧東池袋『大勝軒』創業者)が小学生でつけ麺の虜になった愛弟子に伝えたかった、全力で生きるための「味」と「心」。
目次
第一章 “ラーメンの神様”ってどんな人
第二章 バナナボートの明るい浜辺と何も起きない暗い部屋
第三章 「真介、おまえだけは味を変えるなよ」
第四章 偉大なマスター亡きあと、心に誓ったこと
第五章 神様の故郷で逆境をチャンスに変える
第六章 ラーメン屋にゴールなんていらない
著者等紹介
北尾トロ[キタオトロ]
ノンフィクション作家。1958年福岡県生まれ。2014年、失われつつある街の中華屋について考え、記憶すべく町中華探検隊を結成。隊長として全国の中華屋を巡り、「町中華」というジャンルの火付け役となる。他にも、裁判傍聴や自らの猟師活動など、幅広いテーマでの執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いちろく
19
普段はこの手のタイトル本は避ける傾向にあるのだが、北尾トロ氏の文章が読みたくて手にした一冊。著者と田内川氏の対話形式で綴られる、「お茶ノ水、大勝軒」の店主の人生録のようなエッセイ。今の時代なら確実にアウトだろうなと思われる記述もあるが、単純に現代目線の基準での比較は出来ない部分もある。当時は当たり前だったと推察される修行時代からの話をはじめ、個人経営の大人気店の店舗側からの側面を垣間見れた点が興味深かった。2025/05/17
さく
10
ラーメンの神様・山岸に、「おまえだけは味を変えるなよ」と言われた弟子の真介は、ただひたすらに、山岸の味を追求する。自分らしい味ではなく、山岸の味にこだわり続ける真介。彼の作ったつけ麺やラーメンが食べたいー!!!実はラーメン苦手で、ラーメン屋に入ったことは2、3回しかないんだけど、それでも、大勝軒に行きたいー!つけ麺の方が食べやすいかな?食べたーい!!2025/04/26
フロム
1
嘘とは言わないまでも、山城氏を口実にして自己実現をしてるんじゃないかな?山城氏から直接「お前だけは味を変えるな」って言われた人がフランチャイズや支店経営に手を出したらダメだろう。スープの調整は難しくビシッと決まる事はほとんどないって著作中に何度も出てくるのに、、、著者はベースとしてカッコよくありたいとか人によくみられたいと思ってる。ただ経営者としての嗅覚は独特でありビジネス書で考えると参考になる。はたで見てる分には楽しい人だが振り回される従業員とかは大変そうなので書かれてない事の方が重要な本。2025/06/10
しゅんぺい(笑)
1
内容がタイトル通りかと言われると怪しいけど、とりあえず山岸一雄さんというひとがいて、そのひとに多大な影響を受けた田内川さんという方がいる、ということを知れてよかった。2025/04/28
みんな本や雑誌が大好き!?
1
この前亡くなった福田和也さんは、晩年『保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである: コロナ禍「名店再訪」から保守再起動へ』(河出書房新社)という本を著しました。蕎麦だけでなく、神保町のキッチン南海のカツカレーなども推奨していたと思いますが、「大勝軒」への言及はなかったように思います。 それをもじれば、『保守とは「大勝軒創業者山岸一雄」の味を変えずに守ることである』ということになるのではないでしょうか。創業者の下で修業した田内川真介さんのラーメン人生を振り返った面白い本でした。2025/04/04