嘘つきジェンガ

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嘘つきジェンガ

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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163915845
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

詐欺をめぐる3つの物語。
『2020年のロマンス詐欺』
まさか、こんな2020年の春が待っているとは思いもしなかった――大学進学のため山形から上京した「加賀耀太」だったが、4月7日、緊急事態宣言が発令されてしまう。入学式は延期され、授業やサークル活動どころか、バイトすら始められない。そのうえ、定食屋を営む実家の売り上げも下がって、今月の仕送りが半分になるという。地元の友人「甲斐斗」から連絡が来たのはそんなときだった。「メールでできる簡単なバイト」を紹介してくれるというのだ。割の良さに目がくらんで始めた耀太だったが、そのバイトとはロマンス詐欺の片棒を担ぐことだった。早く「実績」を上げるよう脅され、戸惑いながらもカモを捕まえようと焦る耀太は、「未希子」という主婦と親密なやりとりを交わすようになる。ある日、未希子から「助けて、私、殺される」というメッセージが届く……。
『五年目の受験詐欺』
「紹介は、詐欺だったんです、私たち、騙されていたんですよ」――電話口でそう告げた女の声に「風間多佳子」は驚愕した。詐欺と言われてもにわかには信じられなかった。なぜなら、「大貴」は志望校に合格したのだから。教育コンサルタントが受験生の親向けに開く完全紹介制の「まさこ塾」に多佳子通っていたのは、次男・大貴の中学受験に際してだった。頑張っても頑張ってもなかなか成績が上がらず苦しむ息子の姿に心引き裂かれていた多佳子は、息子を信じようと決意しながらも、つい、まさこ先生に持ち掛けられた、100万円で受けられる「特別紹介の事前受験」という甘い誘いに、夫にも内緒で乗ってしまったのだ。あれが詐欺だったなら、息子は自力で合格したのか。混乱する多佳子のもとに、「まさこ塾」で親しくしていた「北野広恵」から連絡がある。「多佳子さんにも、当時、まさこ先生からその……お誘いはあったの?」
『あの人のサロン詐欺』
「紡」はオンラインサロン「谷嵜レオ創作オンラインサロン オフ会」を主宰している。最初は漫画原作者・谷嵜レオとファンとの非公式な交流イベントだったが、谷嵜のようなクリエイターに憧れる彼らの質問を受けるうち、いつのまにか創作講座がメインとなった。紡が発する言葉を熱心に書き留める参加者たち……谷嵜レオになるまで、紡は自分がこんな風に話せる人間だとは知らなかった。自分の作品を熱心に愛してくれる皆が、紡の話に真剣に耳を傾けてくれる高揚感で、オフ会の時間はあっという間に過ぎる。しかし、じつは紡は谷嵜レオではない。谷嵜が覆面作家なのをいいことに、創作サロンの参加者にも、自分の家族にもそう偽っているのだ。これは詐欺なのだろうが、全身で谷嵜レオを生きてしまっている紡には、その考えはしっくりこなかった。ほんものの谷嵜が逮捕されてしまうまでは。

内容説明

見栄、不安…ほんの出来心から積み上げてしまった嘘。一線を越えたら、もう戻れない。騙す側、騙される側、それぞれの心理を巧みに描く小説集。

著者等紹介

辻村深月[ツジムラミズキ]
1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で本屋大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

778
“騙す側”と”騙される側”。この作品ではそれぞれの”側”に回った人たちの心の内が感情の機微の描写の中に描かれていました。『一線を越えてしまったら、もう戻れない』と”騙す側”に堕ちる危険を教えてくれるこの作品。『今の私だったら、絶対に騙されない』と”騙される側”に回った過去を見るこの作品。”騙し、騙される”感覚を『ジェンガ』というバランスゲームの危うさに比喩するこの作品。“騙し、騙される”という犯罪行為が描かれているにも関わらず、極めて読後感の良い結末に、辻村さんの語りの上手さを感じた素晴らしい作品でした。2022/08/27

パトラッシュ

763
人は誰も現状が不満でたまらず、もっと金持ちになるか才能を認められるか名誉を得るなどして周囲に高く評価されたいと願う。第1作で耀太を詐欺に誘う幼馴染が「みんな、こっちがびっくりするくらい、自分に夢見てっから」と喝破する通りだ。そんな現状変革の手段として詐欺に手を染めたり、逆に引っかかってしまう悲喜劇は愚かにも哀しい人の性か。無論、辻村さんは詐欺絡みの人間模様だけでは終わらせず、騙し騙されの果てに新たな道を見い出す姿を持ってくる。何だか「犯罪は割に合う」とすら思えてしまう苦いユーモアが、鮮やかな読後感を結ぶ。2022/09/21

starbro

739
辻村 深月は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の最新作は、詐欺に纏わる連作短編集、オススメは『あの人のサロン詐欺』です。危ういジェンガの雰囲気が醸し出されています。 https://books.bunshun.jp/articles/-/7386?ud_book https://anchor.fm/hon-web/episodes/ep-e1mhb04/a-a8crr7l2022/09/19

bunmei

708
他者や世間からの視線の中で、自分だけが取り残されていくような孤立感や哀しみを募らせていく人々。そんな人達が、コロナ禍では特に多くなり、少し見栄を張ったり、幸せを望んだりしたばかりに、ついてしまった嘘。その嘘がバレないように、次々と嘘で塗り重ねていく現状は、ほんの一瞬の気の緩みで、ジェンガのごとく一気に崩れ落ちていく。本作では、本来は決して悪ではない主人公達が、いつしか騙し、騙されて、身動きが取れなくなり、底なし沼に足を取られていく悲哀が描かれている。決して共感はできないが、その衝動は、察することはできる。2022/09/06

まちゃ

609
コロナ禍、子供の受験、叶えられない夢。追い詰められ、何かに縋った人々が巻き込まれた詐欺をめぐる3つの物語。どの物語も希望のある結末で読後感は良かったです。人生とは微妙なバランスを保つことで維持されていると感じる優しい作品でした。2022/10/08

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