出版社内容情報
「銀ぶら」という言葉が生まれてから約百年。「伊東屋」「三笠会館」などの“名所”を巡り、現在までつながる銀座の魅力を伝える。
内容説明
震災も戦災も乗り越えてきた、華やかな銀座の歴史を歩く。現在も続く老舗の頑張りから、伝説の名店の思い出まで。グルメ、ショッピングに個性的な建物…。東京文化の変わらぬ姿を記す“イズミ式銀座街並細見”エッセイ。
目次
歳末の伊東屋詣で
思い出のオリンピック
1丁目の銀座アパート
1971年夏の山野楽器
三笠会館の唐揚げのヒミツ
サヱグサのシックな歴史を学ぶ
銀ぶらの発祥と幻の天下堂
明治44年の銀座広告
銀座の煎餅屋ここにあり
小学校の王様 泰明小探訪〔ほか〕
著者等紹介
泉麻人[イズミアサト]
1956年東京都生まれ。慶応義塾大学商学部卒業。東京ニュース通信社に入社、「週刊TVガイド」の編集のかたわら「スタジオ・ボイス」「ポパイ」などに原稿を書き始める。84年退社、フリーのコラムニストとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむら
25
久々に泉麻人のエッセイを。銀座の老舗を訪ねる連載。軽めの蘊蓄を披露しつつ相変わらずの落ち着いた文章で安心して読めます。思えば泉さん、昭和の「ナウのしくみ」の頃からテーマは軽佻でも文章は老成してたよなー。そこが好きなんだけど。そして師弟関係の酒井順子にもそこは受け継がれてる感。ライオンビヤホールと伊東屋の上のカフェに行きたいなー!2022/05/21
A.T
22
2015〜16年が「銀ぶら」という言葉が使われて百年目※諸説あり を機に企画されたエッセイ、コラム集。永井荷風、泉鏡花、鏑木清方…など以前から銀座を巡って昔を懐かしむ文人芸術家は多かったが、意外にも?泉麻人さんもその1人となった。泉さんの場合、原風景は幼少期の昭和30〜40年代の不二家、レストランオリンピックから始まり、中学高校大学が慶應だった関連からの御用達文房具店月光荘、アイビールックのテイメン、マガジンハウスのライター時代の食事処ナイルレストラン… と自身の思い出が重なる場所が筆も冴える。2022/04/24
ゆうゆう
12
銀座の今昔。明治、大正、昭和、平成、令和、時代が変わっても、銀座は銀座。私の思い出は間違いなく子供の頃の松屋銀座。親に連れられていたころの銀座。銀座に行っていないわけじゃないが、大人の銀座もゆっくり歩いてみたい。2024/02/12
tetsubun1000mg
12
泉麻人さんの事は、かなり古い番組だが「テレビ探偵団」のイメージが残っている。 最近も東京23区・区外の散歩などをネタに精力的に書かれているようだ。 今回の銀座本も泉氏の幼年期や義塾中高生の思い出などを散りばめながら、銀座の歴史を知る店主や従業員を取材して貴重な写真や当時の様子を伝えてくれる。 100年前の銀座の様子が浮かんでくるようだ。 泉さんは1956年生まれだそうなので65歳だと思われるが、足も文章の腕もまったく問題ないようだ。 私はこの人の文章は気持ちを落ち着けて安心して読めるのが好み。2022/04/13
hitotak
9
銀ぶらという言葉が生まれてから大体百年が経っているらしいことを機会に、銀座の老舗店を訪れていくエッセイ。テレビや雑誌で紹介されることも多く、行ったことがあるわけでもないのに、なぜか店名を知っていたりするのはさすが銀座という感じだ。リコーと三愛の知られざる関係、銀座にある泰明小学校などの章は面白く読んだ。ほとんどの店が大正~昭和初期から営業し、戦争を乗り越えてきているが、ここにきて様々な理由で閉店する老舗もあるようで残念。眺めて楽しい昭和期の広告やレトロな包装紙、開店当時の写真などもいくつか紹介されている。2023/05/14