出版社内容情報
1968年、静岡県千里見町に近づく台風は、五十年に一度とも百年に一度とも言われる豪雨をもたらしていた。。住んでいるところが危険区域に指定された有村一家は、小さい赤ん坊がいることもあり、親戚の家に避難を決めるが……。
それから20年後、千里見町で『清風館』という旅館を営む清田母娘の前に、坂井裕二と名乗る大学生が現れる。坂井は約一年ぶりの客だった。
『清風館』の主だった清田勝正は、一年前に交通事故で亡くなり、そのため旅館も開店休業状態だったのだ。娘の千遥は母と二人暮らしをしていたが、それは父が急死したためだった。東京の大学に合格していたが、上京して母を一人にするのがためらわれたのだった.
そこに現れたのが坂井裕二で、彼の存在が千遥の大学進学への思いを後押しすることになる。また裕二は過去に何か事情があったらしく、その謎に千遥は惹きつけられていく。
裕二の過去には何があったのか? 千里見町の20年前の豪雨がもたらしたものとは? 濁流に押し流される人間の運命が慟哭を呼ぶ、愛と哀しみの青春ミステリー。
内容説明
海沿いの町を訪れた一人の大学生。彼は夜な夜な街中を徘徊し、不審の目を向けられるが…。驚愕と慟哭の青春ミステリー。
著者等紹介
伊岡瞬[イオカシュン]
1960年東京都生まれ。2005年『いつか、虹の向こうへ』(応募作「約束」を改題)で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞して作家デビュー。14年刊行の『代償』は累計50万部突破のベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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