TOKYO REDUX 下山迷宮

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TOKYO REDUX 下山迷宮

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  • サイズ 46判/ページ数 437p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163914237
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

一九四九年、国鉄総裁が轢断死体で発見された。謎を追うGHQ捜査官に戦後日本の闇が迫る。英国の鬼才が昭和の魔を描く戦慄の傑作。

内容説明

1949年、占領下の東京で起きた下山事件。出勤途上で百貨店に立ち寄ったまま姿を消し、鉄路上で死体となって発見された下山国鉄総裁。この戦後最大の謎に挑んだのは英国の鬼才デイヴィッド・ピース。GHQ捜査官、元刑事の私立探偵、探偵小説作家、CIA工作員―占領都市の暗い迷宮に飲み込まれてゆく者たち。読む者を捉えて離さぬ魔術的語りの果てに、昭和の亡霊が甦る―あの闇を清算するのだ。

著者等紹介

ピース,デイヴィッド[ピース,デイヴィッド] [Peace,David]
1967年、イギリス生まれ。作家、東京大学講師。1994年に日本に移り住み、仕事のかたわら執筆した『1974 ジョーカー』でデビュー。同作にはじまる“ヨークシャー四部作”はイギリスでTVドラマ化された。『TOKYO YEAR ZERO』はドイツ・ミステリ大賞を受賞、また「このミステリーがすごい!」第3位。『占領都市』は「このミステリーがすごい!」第2位。GB84はジェイムズ・テイト・ブラック記念賞を受賞するなど、世界各国で高く評価されている

黒原敏行[クロハラトシユキ]
1957(昭和32)年、和歌山県生まれ。東京大学法学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

本木英朗

29
英国の現代犯罪小説界のひとりである、デイヴィッド・ピースの長編のひとつである。1949年、占領下の東京で起きた下山事件。出勤途上で百貨店に立ち寄ったまま姿を消し、鉄路上で死体となって発見された下山国鉄総裁。この戦後最大の謎に挑んだのが、作者である。とりあえず最後まで読んだけれど、ちょっと今の俺には難しかったかなあ。でも「犯罪文学」ってところは面白かった。しかも下山の外にもう一人が!というところも凄かったね。またいつか読もうと思う。2022/01/04

M H

28
たたみかけるような単語、単語、ダッシュ-これはその昔挫折した「ホワイト・ジャズ」うっ、頭が…。あれよりはだいぶ読みやすくなっているし、下山事件を扱っているわりにすっきりと終わるのは良かった。黒原敏行さんの丁寧な解説もクールダウンを助けてくれる。そうはいっても、何しろ「下山迷宮」、作中の大半は足場が曖昧な五里霧中を漂い、人間も壊れていくハードなもの。ついストーリーラインを追うだけになる私にはしんどかった。黒原さん訳じゃなかったらまた挫折してたかも。2021/11/26

ふみ

23
親切なあとがきとGoogle先生に助けられながら読む。美しくて恐ろしい詩。下山事件を題材をとっているがこれは虚構の世界。日本、東京というのはこういう国なのか?足下の土地が崩れ落ちるような焦燥に苛まれる。2021/12/15

飛鳥栄司@がんサバイバー

22
東京3部作完結。昭和という混沌と激動の日本の雰囲気を日本人以上に引き出し、読者を否応なく「下山事件」にいざなう。他殺自殺の両論があり未解決事件となっているが、本作はZ機関主導の共産党壊滅目的論に主眼を置き、ストーリーを展開させていく。1部はGHQのスウィーニー、2部は刑事崩れ探偵室田の捜査が書かれ、3部は怒涛のカタルシス。深く知れば知るほど迷宮に落ちていく蟻地獄的な感覚で読者を酔わせ、スウィーニーと室田に同調させていく。後戻りのできない状況で語られる真相。そして自我崩壊。これぞピースの真骨頂である。2021/08/31

えとろん

19
三部作の最終作だけどさほど前作とのつながりはないといっていい。とはいえ独特の文体に慣れるまで少々かかったので、再読してから感想を上げたいと思います。2022/01/03

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