出版社内容情報
圧倒的な魅力で、官房長官に上り詰めた青年代議士と秘書。彼らに違和感を持った女性記者が、隠された過去を暴くため、取材を重ねる。
内容説明
四国・松山の名門校に通う二人の男がいた。後に代議士となった男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。秘書となったもう一人の男は、彼を若き官房長官へと押し上げた。「この政治家が、もしも誰かの操り人形だとしたら?」最初のインタビューでそう感じた女性記者は、隠された過去に迫る。
著者等紹介
早見和真[ハヤミカズマサ]
1977年、神奈川県生まれ。2008年、『ひゃくはち』で作家デビュー。2015年『イノセント・デイズ』で日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。2020年『店長がバカすぎて』で第一七回本屋大賞ノミネート。同年『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞とJRA賞馬事文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
434
早見 和真は、新作中心に読んでいる作家です。タイトルと表紙からユーモア小説かと思いきや、早見 和真&政治家小説のMyBEST、今年のBEST10候補です。予想を裏切るスリリングな展開、アドルフ・ヒトラーの領域、著者版令和の「砂の器」、末恐ろしい小説でした。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639115022021/12/02
ALATA
255
官房長官に上り詰めた清家と有能な秘書鈴木、後援会長佐々木の3人は愛媛の名門校からお互いの目標を達成すべく“桃園の誓い”果たすこととなる。中盤から恋人の失踪、敬愛する代議士の不審死、マインドコントロールなど目を離せない展開に。「この男が、もしも誰かの操り人形だったら?」スピーチライター、妖艶な母親、精神科医、終盤のたたみかけに脱帽です★4※ヒットラーのカリスマ性はハヌーセンなる人物よるものと初めて知った。不気味に笑うマトリョーシカはだれなのか?2022/09/14
うっちー
223
面白かった。ロシアの政治家もマトリョーシカか?予約中の『八月の母』も楽しみです2022/05/11
いつでも母さん
220
やぁやぁ、これは面白い!面白かった。「ホンモノ」と「ニセモノ」・・もうこれは何なのだろう。いなくなった彼女の事もちゃんと回収してくれてホッとしたのに、もはや全てが怪しくてどこに真実があるのか、振り回されて私の脳はグルグル状態。要所で出てくるマトリョーシカ人形が不気味過ぎた。早見さんにやられちゃった満足感でいっぱい。2021/12/04
吉子
219
政治の世界を垣間見たような面白いストーリーだった。清家一郎はどういう人物なのか。「ニセモノ」を完璧に操れる「ホンモノ」のブレーンは一体誰なのか。答えを知りたくて夢中で読んだ。政治家はペルソナを被って、見せたい自分を演じている、仮面をはがすとまったく違う顔が出てくるって・・そんな生活、疲れるだろうな。タイトルの笑うマトリョーシカ、すごく納得♪♪2022/07/16