出版社内容情報
暖房や調理、武器から、製鉄、エネルギー利用の変遷まで。先史時代から現代まで広大なスケールで、人類と火の関わりを探る。人類の発展は、火とともにあった。
古来、山火事や天災により起こった火は採暖や調理に利用され、
いつしか人の力の及ばない神に重なり、
土器や鉄など暮らしに欠かせない道具を生み出す糧となった。
なかでも鉱物資源の利用は、農業やエネルギー生産など多方面での発展を促進した。
しかし現代において、人口の増加やそれに伴う莫大なエネルギー需要が、
地球環境の悪化を招いている。
先史時代から現代まで、文明を支えた火の恩恵に触れ、未来を見据えた利用を考える。
序章
第1部 暮らしと火
第1章 生活の中の火
火の使い方と炉の発達
日本の炉
灯火
採暖
……暖房器具/住宅
発火法
……古代の発火法/マッチ/ライター
第2章 火と神様
火の神格化
火の神
……日本の神様/囲炉裏と竈
世界の竈の話
……ギリシア/ドイツ/中国/モンゴル/竈の改良
火と宗教
火の儀礼
……火祭り/死と霊/火の習俗
第3章 戦いの火
神災人火
火の武器
……銃器/大砲/火薬爆弾、そして原子爆弾
第4章 ものづくりの火
木炭
土器、陶磁器とガラス
……土器と陶磁器/ガラス
銅と鉄
……銅の製錬/鉄の製錬/古代中国の鉄と製鉄/古代朝鮮の鉄と製鉄/石炭の使用と産業革命
錬金術
第5章 日本の鉄文化
中世以前の鉄文化
……大陸からの伝播/伝説に見る鍛冶/民衆と鉄/鋳物技術/武力への利用
江戸時代の鉄と蹈鞴製鉄
近代製鉄の幕開けと鉄文化
戦争による鉄需要
第6章 エネルギーの火
動力への変換
……産業革命以前の動力/蒸気機関/内燃機関/ガスタービン
原子の火
……放射線の発見/発電
電気への変換
第7章 現代の火と未来の火
現代の火と環境問題
……火の社会的依存/火の利用と環境問題
未来の火
第2部 人類と火
第8章 火の使用と文明化
火の使用の考古学的証拠
……火の痕跡/火を使用した遺跡の広がり/炉の出現/寒冷地への適応/土器の発達
火を使用する前の人類の足どり
……二足歩行を会得した時代/道具の発明と狩猟採集生活の始まり/生活史の改善/脳の発達
火を囲む生活
調理の恩恵
象徴的表現能力の開花
集団の組織化と文明化
火の使用と森林破壊
……都市の発達と森林破壊/中世ヨーロッパの大開墾時代
第9章 日本の先史時代
縄文時代以前の足どり
縄文時代
……食糧/生活様式/住居
弥生時代
……集落/鉄器/墓と葬送/統治の手段としての信仰
古墳時代
……国家の成立/古墳/製鉄/大陸文化の受容
中世以降と森林の利用
終章
あとがき
参考文献
索引
西野 順也[ニシノ ジュンヤ]
1954年宮城県生まれ。
東北大学工学部工学研究科応用化学科博士課程後期修了。工学博士。
石川島播磨重工業(株)(現在〔株〕IHI)に勤務後、宇部工業高等専門学校物質工学科教授を経て、
現在、帝京平成大学健康メディカル学部医療科学科教授。専門は環境化学、環境プロセス工学。
著書に『やさしい環境問題読本――地球の環境についてまず知ってほしいこと』(東京図書出版、2015年)がある。
内容説明
人類の発展は、火と共にあった。暖房や調理、武器から、製鉄や土器・陶磁器づくり、そして蒸気機関に始まったエネルギー利用の変遷まで。先史時代から現代まで広大なスケールで、人類と火の関わりを探る。
目次
第1部 暮らしと火(生活の中の火;火と神様;戦いの火;ものづくりの火;日本の鉄文化;エネルギーの火;現代の火と未来の火)
第2部 人類と火(火の使用と文明化;日本の先史時代)
著者等紹介
西野順也[ニシノジュンヤ]
1954年宮城県生まれ。東北大学工学部工学研究科応用化学科博士課程後期修了。工学博士。石川島播磨重工業(株)(現在(株)IHI)に勤務後、宇部工業高等専門学校物質工学科教授を経て、帝京平成大学健康メディカル学部医療科学科教授。専門は環境化学、環境プロセス工学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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