出版社内容情報
様々な名画をモチーフに描くうちに、心は若き日に移り住んだパリへ。カラー収録の原画とエッセイから、描くことの喜びに触れる。
内容説明
モネ、ゴッホ、ロダン、マティス…名画をめぐる物語に触発されて浮かぶ、画家を目指した日のパリ。湧き上がる「絵を描くこと」への思い。大人にも、そして絵が好きな子どもたちにも、贈りたい絵本。
著者等紹介
いせひでこ[イセヒデコ]
伊勢英子。画家、絵本作家。1949年札幌生まれ。東京藝術大学卒業後1年余パリで生活。講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞美術賞、ほか受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
128
これは絵本というよりも、いせさんのご自分のたどってきた道を振り返りながらのエッセイと、その時々のカラフルな作品を収められている本です。いまとは異なる画風のパステル画があったりして楽しめます。また原田マハさんが週刊誌に連載されていた「美しき愚か者たちのタブロー」の挿絵集が最後に掲載されていて楽しめました。2020/01/04
MI
100
いせひでこさんのこれまでの旅をしながら描いたエッセイのような絵本。時折いせさんが追っていたゴッホの話がでてきたり。最後の後書きにいせさんと原田マハさんとが出会ったことが書かれていた。マハさんも旅する作家だと書かれていた。この本を読んで、「美しき愚か者たちのタブロー」が読みたくなった。この本の絵をいせひでこさんが担当している。週刊文春に連載された本で、連載当時のいせさんの挿絵がモノクロで載せられておりとても興味深かった。旅する2人の作家。マハさんといせさんが描く世界を読むのが楽しみになった。2023/07/27
kanegon69@凍結中
77
原田マハさんの「美しき愚か者たちのタブロー」の連載の挿絵を描かれた、いせひでこさんの絵本。実はマハさんの本のハードブックカバーになんだかとびきり美しい爽やかな絵が描かれているなと思ったのがきっかけでした。こんな素敵な絵本作家さんがいたとは知りませんでした。どの絵もマハさんの小説に沿って書いたというよりは、いせさんの感性と主張を強く感じました。淡くて優しくて、でも自分には言いたいことはあるんだ!という絵だと感じました。添えられている文章も素敵です。マハさんの小説をきっかけに知ることができてよかったと思います2019/09/28
アルピニア
74
「美しき愚かものたちのタブロー/原田マハ」連載時の挿画と20歳代のパリ時代の作品に、添えられたエッセイ。いせさんが絵描きとして歩んできた日々が作品とともに静かに浮かび上がる。決して饒舌ではない、噛み締めるような言葉で語られる思い。特に、いせさんにとってのタンギー爺さんを語った「銀の額縁」、不測の事態に自分らしさを知る「どこいくの?」、ゴッホの生き方に言及した文が心に残った。パリ時代の作品は現在とかなり異なる印象で心の彷徨を感じた。巻末には「美しき愚かものたちのタブロー」連載時の42画全てが掲載されている。2019/10/04
Smileえっちゃん
60
図書館本です。モネ、ゴッホ、ロザン、マティスと、いせさんの名画を巡る旅。そしていせさんの若いころの思い出を巡る旅でもあったのですね。エッセイとモネやゴッホの絵をモチーフに自分で感じたままを描かれている。最後、原田マハさんが連載されていた「美しきおろか者たちのタブロー」の挿絵が描かれています。マハさんは「いせさんの絵は私の物語の翼になったと言われている。「旅する絵描き」と「旅する作家」素敵なお二人のコラボですね。2020/10/22