出版社内容情報
三十五歳、婚約を破棄された経験のある女性。どことなく物足りない日々を過ごしていた彼女の前に忽然と現れた幸福とは……ネコ?
内容説明
カタログ会社で働く35歳の編集者、妃斗美。婚約を破棄された過去を持つ彼女は、これからひとりで生きていくために、大きなものを買って、小さなものを拾った。手に入れたふたつの“幸福”は、彼女に何を与え、何を奪っていったのか。
著者等紹介
小手鞠るい[コデマリルイ]
1956年岡山県生まれ。1981年第7回サンリオ「詩とメルヘン賞」を受賞し、3冊の詩集を上梓。1993年「おとぎ話」で第12回「海燕新人文学賞」を受賞し、作家デビュー。2005年『欲しいのは、あなただけ』で第12回「島清恋愛文学賞」を受賞。2009年原作を手がけた絵本『ルウとリンデン 旅とおるすばん』で「ボローニャ国際児童図書賞」を受賞。2012年『心の森』が第58回青少年読書感想文全国コンクール小学校高学年の部の課題図書に選出される。ニューヨーク州ウッドストック在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
113
すいすいすいっと読んでいながら、どこか引っかかっちゃう。自分探しは大切、自分らしく暮らす。のような特集は、雑誌でよく特集されていた気がするが、どこかでしっぺ返しがあるのではないかと、この特殊な2020年には特に思えるということなのかもしれない。共感ポイントが探せなかった。猫は好きで、今も飼いたくて仕方ないのにもかかわらず。2020/10/18
みかん🍊
101
35歳独身、実家の弟から結婚しろと心無い言葉を投げつけられ、庭付き一戸建ての家を買って一人好きなように暮らし始めた妃斗美はある日子猫と出会う、婚約破棄されもう恋人はいらない、好きな仕事は順調、猫さえいれば満たされて幸せ、こんな生活ちょっと羨ましいかも、猫を溺愛する姿も猫好きとしては微笑ましく分かるわかると言いたくなるがこの際男性の姿はちらついて欲しくなかった気がする。2019/07/19
モルク
99
婚約破棄された過去を持つ35歳独身の雑誌社の副編集長妃斗美が主人公。実家の母、弟は結婚を急き、それに反発する妃斗美は一軒家を買うことに。そしてそこで牡猫の雷ちゃんとの出会いが。猫を通して彼女の生活、心境に変化があらわれる。猫さえいれば幸せ、まさに溺愛し猫バカになっていく妃斗美。そして新たな恋の予感も…。ラストはできすぎ感が否めないが、まあいいか。表紙のねこちゃんが可愛いすぎるので許す!そして溺愛し夢中になれるものがあるってちょっとうらやましい。2019/05/27
mariya926
91
お洒落な大人の小説という感じです。図書館にあったので借りてきましたが、こんな作家さんもいたんだと思いました。久々の掘り出し物でした。ニューヨークで暮らしておられるんですね。「愛は空っぽであるべきだなんて、そんなの理解できないっていう人もいるだろう。でも、誰かを愛するってことは、まず自分を空っぽにして、その空っぽの器の中に、相手を受け入れていくということかもしれない」なる程と思いましたが、自分を空っぽにできるのかな?「まず、自分の仕事としているものに矜持を持たないと。一仕事人として、私はそう思っている」2024/07/02
Ikutan
83
28歳で婚約破棄され、35歳になった妃斗美は副編集長の仕事に生き甲斐を感じつつも、自分の未来を描けず自分探しの日々を送る。そんな彼女が見つけ購入した理想の家。そして、その家に暮らし始めて出会った唯一無二の存在。もうね、仔猫の雷ちゃんに出会ってからの妃斗美の変わり様といったら!『猫を飼うんじゃなくて愛を飼う』のだそう。まあね、この表紙のように見つめられたら、犬派の私でもメロメロになっちゃうかも。ラストはハラハラドキドキしちゃったな。やっぱり、ネコ好きな人にはネコ好きな人がお似合いなんだろうな。2019/04/06