出版社内容情報
天皇の戦争責任発言はほんとうにあったのか? マ元帥との極秘会見の会話記録を徹底分析する注目のレポート。「戦史ノート」を併載
内容説明
太平洋戦争が終局に近づく頃、米国政府は「天皇の身柄」という最大難問に直面する。天皇に戦争責任を問うか否か、新生日本に天皇制を存続させるか否か。そして、戦後、マッカーサーと会見した天皇は戦責問題に本当にふれたのか。極秘記録をもとに戦後史最大の秘密を再構成する注目のレポート。併せて『戦史ノート』を収録した。
目次
第1部 天皇と戦争責任
第2部 戦史ノート
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
29
冷戦を見据えたUSの思惑が大勢。国務省と民政部の乖離も、”解釈”の問題。解釈の観点では、ウェッブ氏の「立憲君主」論に論理性。然るに責任の観点では、国際vs.国内。故の開戦責任。鍵は、聖断vs.聖慮。興味深いのが、米英仏ソの戦争犯罪基準の件におけるソ連のスジある主張。但し、現実は『戦史ノート』におけるウェッブ氏の論説。役者が一枚上。(汗)その『戦史ノート』では、OSSの”創造力”と著者の奥様の”男気”が対照的なのに思わず微笑む。OSSのXXチューブに、XXXX爆弾は冗談にしか思えない・・・。(笑)2015/06/12
金吾
23
天皇を巡り、各国やマッカーサーの思惑が入り乱れているさまがわかります。ウェッブ裁判長の考えが一番しっくりきました。2025/03/14
フンフン
8
立憲君主制を採用している国では憲法に君主を政治責任の外に置くことになっている。明治憲法第3条の規定は諸外国と同様天皇無答責を定めたものだった。だが、昭和天皇が実権を持つ君主だったと考える国民および外国人は多い。天皇が戦犯として裁かれずに済んだ歴史を研究したもの。2024/07/03
yuji
5
木戸のゴルフ日記、ロシアのホテルフロントで紙をもらう交渉、著者と夫人の掛け合いで再読であることに気がついた。評論家同士の会話に戦争オタクと夫人の突っ込みが鋭い。その夫人にしてサイパンのガイドに失われた日本人の心が生き続けていることに感動しているシーンは印象深い。2013/10/13
モリータ
3
読みたくなったらすぐ読む。第九条について、幣原首相の提案とするマッカーサー『回顧録』についての疑問・留保は、『回顧録』の内容を基本にしている『ジミーの誕生日』とは扱いが異なる(猪瀬氏があえて、という可能性ももちろんある)。「あとがき」にもあるように、立憲君主制というものについては何も知らないに等しく、ウェブ判事の意見も理解しにくかった が、今後知ろうとするにも体系と要素の考え方が重要ではないかと思う。2012/02/05
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