出版社内容情報
近づいたかと思えば遠ざかる。遠ざかると思えば近づく。手紙、スマホ、スカイプ。コミュニケーションの妙味を巧みに描く七つの短編。わたしと那谷紗はまだ手をつないだままだったが、このままずっと谷に立っていることはできなくて、もうすぐ町に降りていくことになる。降りる階段は暗くて不規則だから、どこかで手を離すことになってしまうだろう。でもわざと手を離さない、という遊びを考え出して降りることもできる。新しい遊びを考え出した方が勝ちだ。
近づいたかと思えば遠ざかり、遠ざかると近づきたくなる。
意識した瞬間にするりと逃げてしまうもの――。
重ねたはずの手紙のやりとり、十年ぶりに再訪したはずの日本、そして私とあなた。
輪郭がゆらぐ時代のコミュニケーション、その空隙を撃つ7篇の物語。
多和田 葉子[タワダ ヨウコ]
著・文・その他
内容説明
重ねたはずの手紙のやりとり、十年ぶりに再訪したはずの日本、そして私とあなた。輪郭がゆらぐ時代のコミュニケーション、その空隙を撃つ七篇の物語。
著者等紹介
多和田葉子[タワダヨウコ]
1960年、東京生まれ。小説家、詩人。早稲田大学第一文学部卒業、ハンブルク大学修士課程修了。82年よりドイツに住み、日本語・ドイツ語両言語で作品を手がける。91年、「かかとを失くして」で群像新人文学賞、93年、「犬婿入り」で芥川賞受賞。96年、ドイツ語での文学活動に対しシャミッソー文学賞を授与される。2000年、『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花文学賞を受賞。同年、ドイツの永住権を取得。また、チューリッヒ大学博士課程修了。11年『雪の練習生』で野間文芸賞、13年、『雲をつかむ話』で読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。16年、ドイツでクライスト賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
KAZOO
nico🐬波待ち中
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
ベイマックス