穴あきエフの初恋祭り

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  • サイズ B6判/ページ数 151p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163909172
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

近づいたかと思えば遠ざかる。遠ざかると思えば近づく。手紙、スマホ、スカイプ。コミュニケーションの妙味を巧みに描く七つの短編。わたしと那谷紗はまだ手をつないだままだったが、このままずっと谷に立っていることはできなくて、もうすぐ町に降りていくことになる。降りる階段は暗くて不規則だから、どこかで手を離すことになってしまうだろう。でもわざと手を離さない、という遊びを考え出して降りることもできる。新しい遊びを考え出した方が勝ちだ。





近づいたかと思えば遠ざかり、遠ざかると近づきたくなる。

意識した瞬間にするりと逃げてしまうもの――。



重ねたはずの手紙のやりとり、十年ぶりに再訪したはずの日本、そして私とあなた。

輪郭がゆらぐ時代のコミュニケーション、その空隙を撃つ7篇の物語。

多和田 葉子[タワダ ヨウコ]
著・文・その他

内容説明

重ねたはずの手紙のやりとり、十年ぶりに再訪したはずの日本、そして私とあなた。輪郭がゆらぐ時代のコミュニケーション、その空隙を撃つ七篇の物語。

著者等紹介

多和田葉子[タワダヨウコ]
1960年、東京生まれ。小説家、詩人。早稲田大学第一文学部卒業、ハンブルク大学修士課程修了。82年よりドイツに住み、日本語・ドイツ語両言語で作品を手がける。91年、「かかとを失くして」で群像新人文学賞、93年、「犬婿入り」で芥川賞受賞。96年、ドイツ語での文学活動に対しシャミッソー文学賞を授与される。2000年、『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花文学賞を受賞。同年、ドイツの永住権を取得。また、チューリッヒ大学博士課程修了。11年『雪の練習生』で野間文芸賞、13年、『雲をつかむ話』で読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。16年、ドイツでクライスト賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

321
表題作を含めて7つの短篇を収録する。いずれも「文學界」に断続的に発表されたもの。「穴あきエフの初恋祭り」などと意味不明のタイトルを付されたりしているが、これなどはまだましな部類。タイトルと内容との相関性を問わなければいいだけなのだから。後半の2篇などは、さらに自由奔放に飛翔する。もうほとんど西脇順三郎の詩的世界に踏み込んだかのよう。つまり、ここに描かれた小説世界は通常の意味におけるリアリティに依っているのではなく、小説独自の文法によって、それ自体が自立した空間を構成しているのである。一見したところでは⇒ 2023/07/09

KAZOO

121
私の好きな作家さんの一人で最近の短編作品集です。短編とは言いながらも本当に文学の世界を堪能させてくれます。「鼻の虫」などは芥川の「鼻」を連想してしまいました。非常に言葉をうまく使っている感じがいつもします。短編でありながら本当に物語を堪能したという気になります。2019/03/03

nico🐬波待ち中

118
言葉遊びと独特のリズムのある文章にニヤリとなる短編集。特に『文通』『おと・どけ・もの』が好き。「背伸びしすぎて、前につんのめって倒れそうになる手紙」「ありもしない三つ目の頬を打たれた気分」等々、多和田さん特有の表現に笑った。気になったのは「世の中ではどんどん単語が死んでいく」のくだり。「死語」と呼ばれるように、時代の変化とともに遣われる言葉の変化も激しい。多和田さんのように海外在住の人にとって「喪われた日本語」はよりショックなことなのだろう。言葉の変化は自然の成り行きのように思っていた私もショックだった。2018/12/12

tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。

97
☆5.0 『穴あきエフの初恋祭り』タイトルで既にワクワクなのに 登場人物名は「魚籠透(ビクトル)」と「那谷紗(ナターシャ)」 言葉と思考のバトル全開!多和田葉子祭りの幕開けだ。ワッショイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワッショイ  表題作含む7篇を収録。 2021/01/31

ベイマックス

91
途中で諦めました。理解できないと難解は違うと思うんだけど…。ふ~ん…、まっいいや、何だかんだと考えたけど、理解できない物は理解できない。理解できる作品、自分に合う作品、自分が感動できる作品を単純に読みたいです。なんちゅう感想なんでしょうか(笑)2021/02/22

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