出版社内容情報
さまざまな生き物を飼いながら、人間たちはなぜ生きるのか?
この世界のリアルを、柳美里が描く。戦慄の連作小説集!
夫との生活に疲れた中年女は、家にいた毛虫に「トーマス」という名前をつけて飼うようになった。トーマスへの愛着が深まることで、なじんでいたはずの夫が、いままでとは違って見てくる。
夫の本心とは何か。夫の好きなものは何か。夫は何に関心があるのか。夫は何も関心を持っていないのか。わたしは夫の何に関心があるのか。何もないかもしれない。わたしは自分に対しても、関心を持つことができない。どうしてこんなことになってしまったんだろう。何がいけなかったんだろう。疲れた。ほんとうに疲れた……。
中年女のリアルな心情を細密に描く――「イボタガ」
ウーパールーパーに「アポロ」という名前をつけたコンビニで働く青年の話――「ウーパールーパー」
シングルマザーの母親との軋轢にもめげず、健気に生きていこうとする少年の話――「イエアメガエル」
「トーマスは羽化しませんでした」という謎のメッセージを残して、妻に去られた中年男の話――「ツマグロヒョウモン」。
内容説明
さまざまな生き物を飼いながら、人間たちはなぜ生きるのか?この世界のリアルを描く、戦慄の連作小説集!
著者等紹介
柳美里[ユウミリ]
1968年、神奈川県生まれ。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、「魚の祭」で第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1996年、「フルハウス」で第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で第116回芥川賞を受賞。1999年、「ゴールドラッシュ」で第3回木山捷平文学賞を受賞。2001年、「命」で第7回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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