私が死んでもレシピは残る 小林カツ代伝

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163903965
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

料理本230冊以上、考案したレシピは一万超。家庭料理のカリスマと称された小林カツ代、波乱万丈の人生の光と影を描く傑作評伝。「小林カツ代という人は天才でした。紀元前、紀元後ではありませんが、家庭料理の世界では、カツ代前、カツ代後という言葉があってもおかしくない」と、料理専門の編集者に言わしめるほどの存在だった「家庭料理のカリスマ」が亡くなって三年。その波乱万丈の生涯を、生前から親交のあった気鋭のノンフィクションライターがたどる決定版評伝。

大阪の商家の「こいさん」(末娘)として生まれ、大学を出てすぐに結婚。新婚当時は味噌汁も満足に作れなかった主婦が、いかにして戦後日本を代表する料理研究家になったのか……。

実姉や娘、元夫など家族の証言や、弟子たち、彼女を知る多くの関係者に広く取材し、仕事と家庭の両面から小林カツ代の実像に迫る。伝説の「肉じゃが」、「わが道をゆくワンタン」など傑作レシピも紹介。

中原 一歩[ナカハラ イッポ]

内容説明

天性の舌を持つ不世出の料理研究家・小林カツ代。その波乱の生涯をレシピと共に描く傑作評伝。

目次

第1章 料理の鉄人
第2章 小林カツ代の家庭料理とは何か?
第3章 大阪大空襲
第4章 カツ代を育てたミナミの味
第5章 料理研究家・小林カツ代誕生
第6章 母として、女としての葛藤
第7章 天命

著者等紹介

中原一歩[ナカハライッポ]
1977年生まれ。高校卒業後、博多の屋台で働きながら、地方紙や週刊誌で執筆活動をはじめる。19歳で上京後は、南極から北朝鮮、アマゾンの源流からアフガニスタンの戦場など世界を放浪。フリーランスの記者として雑誌「AERA」の「現代の肖像」など数多くの雑誌、週刊誌、Webにルポルタージュを発表し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よこたん

58
“「興味を持つ。知識を得る。行動に移す。世界が広がる」カツ代の人生はこの繰り返しだった。” 子どもの頃から、料理番組で、にこやかに手際よく動かれるカツ代さんの姿が大好きだった。読んで面白いし、作ってみて簡単で美味しいレシピ本が大好きだった。改めてもういらっしゃらないのだなあと寂しさに包まれる。料理一筋のようでいて、多趣味で新しいことにためらわず突き進む好奇心の塊の人だった。手抜き料理と称されても、無駄を省いただけと答える。「料理は科学であり、化学である」ってすごい。美味しいには、ちゃんと根拠があるのだな。2018/07/27

おさむ

51
ツマがファンなので、我が家でもカツ代レシピは健在です。食の大阪育ちで培われた独特の家庭料理はいまも人気なのは、味もさることながら、小林さんの明るい性格も貢献しているのでしょう。若い頃は全く料理に興味がなかったこと。結婚後に目覚め、テレビで活躍するようになったこと。米国でのホームステイや事実上の離婚など、知らなかった事実が多く、読み応えのある1冊でした。「興味を持つ。知識を得る。行動に移す。世界が広がる」。この言葉通りの生涯だったカツ代さんに改めて合掌。2017/03/03

おかむら

47
小林カツ代の評伝。ニコニコしながらテキパキ作る、テレビで見てた印象とは別の一面も浮かび上がる。主婦やお母さんというよりかなりエネルギッシュで行動的。家に籠ってられるタイプじゃない。売れっ子料理研究家という妻をもった夫、母をもった娘の複雑な思いがインタビューからうかがえて興味深かった。息子(ケンタロウ)はまだリハビリ療養中とのことでインタビューはかなわなかったとのこと。その辺りもカツ代さんの晩年も読んでてちょっと胸が痛むわ。ちなみに小林カツ代のレシピはドライカレーをかれこれ20年作り続けてます。マジうま。2017/04/29

booklight

35
そうか、料理の鉄人で陳健一に勝っていたんだ。大阪の商家の娘が、結婚を期に料理を始める。食道楽で培った舌と持ち前の行動力で料理本のレシピを制覇していき、ある番組への投稿から料理家の人生を歩み始める。主婦から突然TV出演を決めたり、子供の受験期でもアメリカにホームステイに行ったり、実に自由。女性の社会進出に伴って、家庭料理が変わる中、美味しくて効率的な女性のための料理と明るくて元気なキャラで人気に。晩年は脳卒中で9年も寝たきり。怖い病気だ。後書きの夫のインタビューが、カツ代さんの夫らしい優しさが感じられた。2023/07/30

霜月

33
その人柄や情熱が反映されたような早くて美味しくて庶民的なレシピの数々はいつも驚きや感動に満ちている。それはご本人が亡くなった後もたくさんの家庭を、人を幸せにするレシピ。エッセイも好きでたくさん読んできたけれど、それ以上にいろんな資料や取材を経てかなりその人生に寄り添った内容になっていて、改めて小林カツ代という人を思った。経験もなしに飛び込んだTVの世界、科学的に突き詰めたレシピ、初めて出逢った時は目から鱗だった。今も我が家でそれらは生きていて、幸せな時間を運んでくれる。ご冥福をお祈りします。2017/04/25

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