ヤギより上、猿より下

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  • サイズ B6判/ページ数 198p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163903330
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

最悪劇場は、『デブを捨てに』ではまだ終わってはいなかった。淫売宿に突如現れた動物たちに、戦々恐々となる表題作ほか、全四編。「どうぶつ好き、あつまれ?!」

『デブを捨てに』の〈悪夢〉は、まだ終わっていなかった――。

「こんな小説、みたことないよ!!」



〈イエロートラッシュ〉シリーズ第二弾



「あんたら全員、ヤギより上、猿より下なんだよ!」

真心山の麓にある売春宿『ホーカーズ・ネスト』にやってきたオランウータンのポポロと、ヤギの甘汁。

動物たちの活躍ぶりに、人間の従業員たちが戦慄する……表題作の「ヤギより上、猿より下」をはじめ、〈シュール〉な設定、乾いた〈ユーモア〉と、エッジの効いた〈表現〉で、〈最悪の状況〉に巻き込まれた人々たち〈イエロートラッシュ〉の泥沼のような日常を、スピード感あふれる独特の文体で疾走するように描き出す全四編。



・収録作

「パンちゃんとサンダル」

タクムのおとうさんは、いつもおかあさんをなぐっています。いもうとのアヤは、それをみて、いつもないています。でもある日、おなじアパートのアレキサンダルが、タクムたちをみかねて、あるていあんをしてくれました。

「婆と輪舞曲」

大高のババアは、探偵稼業の「俺」にとって暮らしの大黒柱だ。失踪し、見つかるアテのないババアの娘を探すフリをして金をもらっているのだ。だが、ある日別れた女房のアケミから「俺」の娘が行方不明になったと告げられ……。

「陽気な蠅は二度、蛆を踏む」

最高の殺し屋・エンジンの元に、新たな依頼が届く。それは、カミさんが臨月のグランのピンチヒッターで、城島という三十代の男を殺せという内容だった。対象者と親しくなるのが流儀のエンジンは、やがて意外な事実を知る。

「ヤギより上、猿より下」

真心山の麓にある売春宿『ホーカーズ・ネスト』にやってきたオランウータンのポポロと、ヤギの甘汁。動物に負けるはずがないと思っていた従業員の姐さんたちだったが、ポポロに指名が集中し、宿は大混乱に……。

平山 夢明[ヒラヤマ ユメアキ]

内容説明

『デブを捨てに』の“悪夢”は、まだ終っていなかった―。異才の作家、平山夢明・“最悪劇場”第二幕。

著者等紹介

平山夢明[ヒラヤマユメアキ]
1961年、神奈川県生まれ。“デルモンテ平山”名義で、映画・ビデオ批評から執筆活動をスタートし、1996年、『SINKER―沈むもの』で小説家としてデビュー。2006年、短編「独白するユニバーサル横メルカトル」で、第59回日本推理作家協会賞を受賞。また、同作を表題作とした短編集は、2007年版「このミステリーがすごい!」で1位を獲得。2010年、『ダイナー』で第31回吉川英治文学新人賞候補、第28回日本冒険小説協会大賞、翌2011年に第13回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

231
平山夢明は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。表紙、タイトルから多少ほのぼのとした内容かなぁと思って読みましたが、やっぱり平山夢明の作品でした。オススメは表題作の「ヤギより上、猿より下」と「パンちゃんとサンダル」です。「ヤギより上、猿より下」が、そう言う意味だったとは・・・いずれにしても化物が棲む淫売宿には絶対行きたくないなぁ!良い子や淑女の皆様はゼッタイに読まないように(笑)【読メエロ部】2016/09/07

❁かな❁

184
うわー‼︎ついに読んでしまいましたぁ‼︎初めて平山夢明さん読みましたがヒドくてエグいのに先が気になり一気読み!泥沼のような過酷な日常を生きている人達のお話4編。カズレーザーさんがオススメしていたので読みたいと思っていたのと読み友さん達の気になる感想から手に取りました♪コレが噂の平山節なんですね(笑)全編インパクト大!「パンちゃんとサンダル」辛くて、そんなぁ…って思い最後にはヨシって思いました!「陽気な蠅〜」はラスト涙。表題作ぶっ飛んでてびっくり‼︎マラカイボの灯台、海綿ムニエルって(笑)想像膨らみます♡2017/10/24

R

99
相変わらず「酷い」といいたくなるけども秀逸な短編集でした。人間のクズ、ド底辺、動く生ごみ、みたいな形容をされる人物たちの悲喜こもごもを描いていて、一周廻ってギャグになっているものもあれば、その空気に取り囲まれて圧死するかのような深い哀しさなどが感じられて、面白いけどもずんと響く内容でした。あまり考えたくないけども、まったく触れられていないが、ひょっとすると描かれている以上の最悪がおきてるんじゃないかと想像させる内容に慄きつつ、独特の世界観を楽しめました。2017/11/13

at-sushi@進め進め魂ごと

99
DVに虐げられる幼い兄妹、標的が実の息子と知った殺し屋、オランウータンが稼 ぎ頭の淫売宿等、安定のキ印設定。目玉や脳漿が飛ぶ程度は当たり前、ティンコ、 マソコのオンパレード。どこから読んでもドイヒーな小説表現の極北のようなゲス 文章に何故か魂が揺さぶられ、爽快感すら覚える中毒性の高いジャンクフードの ようなゲス作家(誉めてますw)そんな平山ワールドについてリアル世界で語れ ば人格を疑われそうなので、読メで感想を書くのは禁断の愉悦w 「マラカイボ の灯台」試されたいw 2017/06/06

Bugsy Malone

88
最悪の状況の中で自分を或いは人を守り、生き抜くために足搔き苦しむろくでなし達。誰かが助けてくれる、偶然が味方する、そんな甘っちょろい希望はここにはない。4編を一括りには出来ないが、今作の主人公達は手段はどうあれ自らの手で希望を掴む(「陽気な蝿」も最悪な中での希望とするなら)。その為にはある意味強くなれ!と云われている様な気がした。そして勿論愛や優しさを忘れてはならない、と。長々待った甲斐がありました。最高でした。2016/07/04

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