出版社内容情報
争いが続く朝鮮半島と倭国の平和を願う聖徳太子の遣隋使計画。国内外の妨害工作に悩まされながら、若き巫女が起こした奇跡とは――。
倭国、新羅、高句麗、百済の四カ国の平和を願う
聖徳太子の遣隋使プロジェクトが九州・宗像から動き出す!
時の大王は推古天皇、秀才の誉れ高い厩戸皇子(聖徳太子)は、争いの続く朝鮮半島情勢に心を痛めていた。仏教を篤く信仰する王子は、その教えと大陸からの僧の言葉に耳を傾け、四カ国がそろって隋に朝貢し、その庇護の下の安定した関係を築こうという壮大な計画をたてる。これが後に小野妹子を正使とした遣隋使の派遣へとつながっていく。
しかし、それをよく思わないのが蘇我の大臣の一派と、百済の花郎徒を中心とする一派であり、百済から倭へ使者として派遣された、円照は船中で襲われ命からがら海へ飛び込んだ。それを助けたのが宗像の豪族の娘で、祭祀を巫女として司る若い伽那だった。自身も父を新羅人にもち、10年前の新羅と百済の騒乱で両親を失った経歴をもつ伽那は、平和を願う気持が人一倍強い。厩戸皇子の思想に深く共感し、その理想を実現させようと周囲の人物たちを動かし、一族もそれに協力を誓うが、次々と計画を打ち壊すべく刺客が放たれ、彼らの身に危険が及んでいく。果たして四カ国が揃って、隋の都・洛陽へと無事に辿り着き、皇帝との面会はかなうのか――。
本書は九州出身の著者が、九州文化連盟創立50周年と「宗像・沖ノ島と関連遺産群」世界遺産登録支援として上演される舞台劇『姫神』のために書かれた長編。12月には博多座での公演が決定している。アジアの平和を願う祈りをこめつつも、信長ものなどで存分に発揮されてきた迫力ある戦闘シーン、個性的な人物造詣、それぞれの陰謀と策略が随所に織り込まれたエンターティメント性の高い歴史小説だ。
内容説明
推古天皇14年(606)、倭国、新羅、高句麗、百済、四カ国に平和を―聖徳太子(厩戸皇子)の遣隋使プロジェクトが九州・宗像から動き出す!
著者等紹介
安部龍太郎[アベリュウタロウ]
1955年福岡県生まれ。久留米高専卒業。90年『血の日本史』でデビュー。2005年『天馬、翔ける』で第十一回中山義秀文学賞を受賞。13年『等伯』で第百四十八回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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