屋上のウインドノーツ

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  • サイズ B6判/ページ数 304p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163902869
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

引っ込み思案の少女・志音は高校入学をきっかけに吹奏楽部に入部。目指すは東日本大会出場! 爽やかな風を感じる熱血部活小説。

「みんなとつながることができない」私立中学の三年生・給前志音(きゅうぜん・しおん)。これまで勉強やスポーツ、そして人間関係さえも唯一の友達・青山瑠璃に頼り切って生きてきたが、離れて暮らしていた父との再会をきっかけに、あえて友達がひとりもいない県立高校への進学を決意。しかし志音の父はその後、過労が原因で急死――。父の遺品の中からドラムと「志音、大志を抱け」と書かれた日記を見つけた志音は、ひとりドラムの練習を始める。
県立高校入学後、学校の屋上でドラム(エアで)の練習をしていた志音は吹奏楽部の部長・日向寺大志(ひゅうがじ・たいし)から入部を誘われる。一度は入部を断った志音だったが、大志の強い誘いと「何かが変わるかもしれない」という予感で入部する。いっぽうの大志は、実は過去の部活運営での失敗を抱え、その傷を乗り越えられないままでいた(部長になったのも実はくじびきの結果!)。志音の出現は「何か」を変えるのか? やがて二人と部員たちは吹奏楽部の東日本大会出場をめざして厳しい練習の日々を過ごすようになる。そして地区大会の日がやってきて――。

決して小さくはない過去の傷や挫折を抱えながら、懸命に吹奏楽に打ち込む少女と少年の奮闘の姿を爽やかに描いた第22回松本清張賞受賞作。松本清張賞に新しい「風」を吹き込む部活小説の傑作です!

内容説明

友達がひとりもいない県立高校へ入学した引っ込み思案の少女・給前志音は、ワケありの部長・日向寺大志に誘われ吹奏楽部に入部する―やがて厳しい練習の日々が始まって…目指すは東日本大会出場!音楽と友情の疾風怒涛。第22回松本清張賞受賞。

著者等紹介

額賀澪[ヌカガミオ]
1990年、茨城県行方郡麻生町(現・行方市)生まれ。十歳の時に初めて小説を書く。高校卒業後は小説家を目指し日大芸術学部文芸学科へ入学、創作やDTPを学ぶ。卒業後は広告代理店に勤務、制作の仕事をしながら小説の創作を続ける。2015年『ヒトリコ』で第十六回小学館文庫小説賞を受賞。同年『屋上のウインドノーツ』(『ウインドノーツ』を改題)で第二十二回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ナイスネイチャ

270
キラキラ眩しい青春ど真ん中小説ですね!過去の傷を持った高校生たちが県大会出場を目指すというあらすじで書けばありきたりの内容ですが、切ない心情や高校生たちのモヤモヤ感の描写などかなり面白かったです。「ヒトリコ」も読んでみたいです!2015/09/04

takaC

234
ありゃ?松本清張賞ってどんな賞だっけと他の受賞作を調べてみたら既読は阿部智里『烏に単は似合わない』と横山秀夫「陰の季節」の二篇だけだった。ミステリー限定というわけじゃないとは知らなかった。そんなわけで心構えを間違えて読み出した話だったけど自分好みの青春モノだっただけに結構のめり込めた。2016/07/18

おしゃべりメガネ

203
【松本清張賞】受賞作で先日、読了しレビューもアップした『ヒトリコ』は【小学館文庫小説賞】を受賞する快挙を成し遂げた額賀(ぬかが)さんのWデビュー作です。この作者さん、ホントにハマってしまいました。読みやすいのは勿論、人物もわかりやすく、感情移入がスッとできて、やはり人物が気になるから必然的に先の展開も気になり、読む手が止まらなくなります。作風は「白」の本作、「黒」の『ヒトリコ』といったところでしょうか。本作はとにかく最初から最後まで見事に‘青春’で埋め尽くされています。額賀さん、タダモノではないですね!2015/08/17

ちはや@灯れ松明の火

161
はじまりを告げる音は屋上から流れてきた。脹らみすぎた夢に潰された絆、二度と抱かぬと決めた大志を軽やかなリズムが呼び覚ます。振りほどいた手と新たに差し伸べられた手、変わりたいと強く願い握りしめたバチ。押し殺していた息が高らかに響き渡る。仲間に呼びかける調で、ひとつきりだった音が集まってつながる。互いに寄りかかるだけじゃなく、支えあうように。総てが実を結ぶわけじゃない努力、悔し涙に潤む景色がきらきらと乱反射する。別々の場所にいても同じ志で奏でる音色は心を結ぶ合言葉。山から吹く風が、はるか彼方へと運んでいく。 2016/03/01

紫 綺

161
第22回松本清張賞受賞作作品。高校の吹奏楽部を舞台に吹き抜ける、爽やかな青春の風を描いた良作。40年ほど前の吹奏楽をやっていた頃にタイムスリップしたような気分を味わえた。もうちょっと手前で、余韻を残すような結末の方が良かったかな。2015/09/27

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