出版社内容情報
一九八〇年、新宿西口バス放火事件で瀕死の大火傷に。輸血が元で肝臓ガンとなった今、加害者を、自分の心を「赦す」思索の旅を描く。
「私はなぜこの運命を背負ってしまったのか。」
全身熱傷からの生還。生と死を見つめた魂の手記!
1980年夏、新宿西口バス放火事件。死者6人の無差別犯罪に日本中が騒然とした。
著者は全身80パーセントの大火傷で、瀕死となった。
事件の陰には信じられないようなドラマが秘められていた。
報道カメラマンの兄が、妹が乗っているとは知らず、炎上するバスを撮影。明暗をわけた一枚の写真が兄妹の仲に陰を落とす。いつまでも「被害者」として過剰に接する母からの自立。そして、不倫の恋をしていた19歳年上の仕事仲間と結婚するも、夫はのちにレビー小体型認知症となり死去。
なにより凄まじいのは、著者は、放火事件の加害者M青年の不幸な生い立ちを知るにつれ、「自分もまた彼を加害者の側に追いやった人間のひとりではないか」と考え、刑務所で面会、文通をし、赦そうと試みたのだ。それによって自分も「被害者」の冠を外して歩みだせるのではないか――しかしそれもMの獄中自殺によって絶たれてしまう。
いったい自分の人生とは何だったのか。かくも過酷な運命を生き、死ぬことの意味は何なのか。
事件当時の輸血がもとでC型肝炎になり、肝臓がんを発症して余命宣告を受けた今、著者は、この生と死を納得するための思索の旅をふたたび始めた。
NHKスペシャル「聞いてほしい 心の叫びを~バス放火事件 被害者の34年」(2014年2月放映)に感動の声、続々! 石原慎太郎氏からの手紙も収録。
内容説明
1980年、新宿西口バス放火事件。死者6人の無差別犯罪に日本中が騒然となった。全身80パーセントの熱傷を負った著者は、獄中の「加害者」に面会を求める。そして、夫の認知症と死。一人きりになった著者に、肝臓がんで余命宣告。事件の輸血によるC型肝炎がもとだった―全身熱傷からの生還。生と死を見つめた魂の手記!
目次
第1章 炎(鎖鎌;加害者、Mさん;償い)
第2章 追憶(母;兄と妹)
第3章 甦生(加害者としての責任;「被害者」としての役割)
感想・レビュー
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