FBI秘録〈上〉―その誕生から今日まで

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  • サイズ B6判/ページ数 386p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163900179
  • NDC分類 317.953
  • Cコード C0098

出版社内容情報

盗聴国家米国の原点はFBI長官フーヴァーにあり。その膨張の軌跡を赤狩り、9・11テロ等を事例に解きあかすノンフィクション。

本書は、前著『CIA秘録上下』(文藝春秋)でCIAの誕生から今日までの全貌を解剖してみせたティム・ワイナー(元ニューヨーク・タイムズ記者)が、もう一つの、そしてNSA(国家安全保障局)が最も頼りにする「FBI」の誕生から今日までを解きあかす衝撃の書です。「FBI」といえば、マフィアのギャングなど犯罪者を逮捕し、法の支配を守る警察部隊だというイメージを持つかもしれません。半世紀近くFBI長官を務めたフーヴァーのイメージも記憶に残っている人もいるかもしれません。しかし、著者は、FBIは、テロリストやスパイに対する秘密諜報こそが、第一の主要任務であり、それは発足時から今日まで変わらないのであって、そこに焦点を当ててFBIの歴史、功罪をみなくてはいけないと指摘しています。前著もCIAの元長官10人を含む300人以上のインタビューによって、CIA創設から今日までを解剖しましたが、今回も匿名の情報源や行き当たりばったりの引用ではなく、近年機密扱いを解除された7万ページ以上の文書にあたり、関係者への取材・証言を集め、書き下ろしたのが本書です。とりわけ、半世紀近く長官をつとめたフーヴァーを「米国のマキアヴェリ」とみなし、彼こそが米国の諜報活動の創始者であり、共産主義者やファシストや人種差別主義者などを相手にどのように戦ったのか、そのためにどんな不正なことや違法なことをしたのか、それに対して、アメリカの裁判所や政治家たちが、いかに抵抗もしたのか、そんなアメリカの民主主義国家としてのさまざまな矛盾や対立が鮮明に描かれています。1920年代の「赤狩り」時代からCIAとの縄張り争い、ルーズベルト、トルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、レーガン、ブッシュ…仕える大統領との協調と対立等々…。スパイ小説より面白い!

内容説明

テロリストとスパイに対する秘密諜報こそ、最大の任務。発足以来、FBIが「敵」とみなしたのは、米国共産党、KKK、キング牧師を頂点とする公民権運動、反戦主義者、ウェザーマン、アルカイダ、オサマ・ビンラディンら。その能力はCIAをはるかに凌いでいた。『CIA秘録』の著者が、機密解除文書、全て実名の証言で描く、最強諜報機関の歴史。

目次

第1部 フーヴァー&FBI誕生―1895‐1934(「無政府状態」フーヴァー、司法省に入る;「革命」セオドア・ルーズヴェルトの宣戦布告;「裏切り者」ウッドロー・ウィルソンの警鐘 ほか)
第2部 第二次世界大戦前夜からの秘密諜報―1934‐1945(「スパイビジネス」フランクリン・ルーズヴェルトの白紙命令;「曲芸師」大統領直属の諜報長官;「秘密諜報」トロイの木馬と第五列 ほか)
第3部 冷戦―(「ゲシュタポ無用」トルーマンの戸惑い;「対決」冷戦の予兆;「赤いファシズム」若きニクソンと意気投合 ほか)

著者等紹介

ワイナー,ティム[ワイナー,ティム] [Weiner,Tim]
元ニューヨーク・タイムズ記者。1956年ニューヨーク生まれ。CIA、国防総省などでのインテリジェンスを30年カバーしてきた。ニューヨークのタウン紙『ソーホー・ニュース』から、そのキャリアをスタートして『フィラデルフィア・インクワイアラー』に移籍、調査報道記者として国防総省、CIAの秘密予算を明るみにだし、88年ピューリッツアー賞を受賞。93年『ニューヨーク・タイムズ』紙に移籍、99年までワシントン支局でCIAを担当。94年にはCIAの自民党に対する秘密献金の存在をスッパぬき、日本の新聞全紙が後追いをした

山田侑平[ヤマダユウヘイ]
1938年長野県生まれ。東京外国語大学中国語科卒業。元共同通信記者(ニューヨーク支局員、ブリュッセル支局長などを歴任)。人間総合科学大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケニオミ

5
捜査と諜報は異なる。捜査はすでに行われた行為を明らかにする活動であるが、諜報はある行為が行われることを未然に防ぐための活動である。未然に防ぎたいものの重要度が増せば、国家の安全のため、ひいては国民の安全のため、諜報活動が活発になるのは至極当然に思われる。しかし、盗聴や不法侵入など、個人に認められている権利を侵してまで行ってよいのだろうか。本書は、このデリケートな問題を扱う機関であるFBIの活動の歴史を詳らかにする内容である。共産主義の脅威をちらつかせ、権力の拡大、活動の合法化を狙うFBI。えぐいなあ。2014/03/31

キミ兄

1
映画「シークレットマン」を観たのでFBIの歴史が気になって再読。前回いかに流し読みしたのかというのがよく分かった。特にキューバ侵攻作戦に対するアイゼンハワーの態度。やっぱりケネディはチキンだった。 一冊一冊丁寧に読まないといかんな。☆☆☆☆☆。2020/09/14

スプリント

1
フーヴァーがどのようにFBIを作り上げ時の権力者達と対峙してきたかが語られています。上巻ではアイゼンハワー大統領の時代までが書かれています。登場人物が多いこととアメリカ特有の事情もあり理解が追いつかないところもありますが内容は面白いです。2014/06/06

terbagus

1
とにかく登場人物が多い。手元にノートをおいて名前と役職を控えながら読むといいかも。内容については民主主義と国家について改めて考えさせられた。アメリカでは国家の代表のセックスまでチェックされる。一方、日本はそういったものがないからマスコミに簡単にチェックされる政治家が出てしまう。思うにアメリカは女性が男性化した。日本は男性が女性化したために、細かいことにまで気がつくようになったということか。いろいろと考えてしまった。2014/05/30

GASHOW

1
FBIの設立とCIAとの確執。どちらも盗聴、盗撮をおこなう。一つの電話線を盗聴すると、彼がかけるかも知れない、掛かってくるかも知れないすべてを盗聴するようになる。可能なあらゆる手段を使ってでも逮捕をさけなければならない。戦争スパイの延長だった。2014/04/10

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