出版社内容情報
曹操の祖父は宦官だった――かつてない地点から始まった宮城谷版「三国志」。最終巻の今回は蜀の滅亡=三国時代の終焉が描かれます。
前代未聞の宮城谷「三国志」、堂々の完結!
曹操の祖父は宦官だった――かつてない地点から始まった宮城谷版「三国志」。最終巻の今回は蜀の滅亡=三国時代の終焉が描かれます。
内容説明
魏軍の快進撃に蜀は浮き足だつ。遂に皇帝の劉禅は、魏への降伏を決定する。呉も孫休の逝去で衰退が始まる―。宮城谷三国志、堂々の完結!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
68
宮城谷三国志もこれで終わりです。文藝春秋連載から読んでいたので、2度目ですが、まとめて読むほうが印象に残ります。宮城谷さんのは比較的歴史に沿っていてこの巻でも蜀の終わりで三国志終了という見方だと思います。普通は三国志といえば、劉備が出て諸葛孔明が死んで終わりですが、宮城谷さんのは最初は劉備出現以前から書き始めておられていて、長い物語を登場人物を公平に書いており楽しめました。再度読むことになるのでしょう。2015/06/04
future4227
53
ついに最終巻。英雄、英傑と呼ばれるような魅力的な人物も底をつき、物語自体の魅力も若干の寂寥感を覚える。魏の司馬一族の強さは、一族みな優秀であること。代替わりしてもハズレがない。蜀は姜維の一人相撲が続く。呉は賢人や忠臣が殺されまくって、もうクズしか残っておらず、自滅の一途を辿る。この時期で魅力的なのは魏の陳泰、王基あたりか。今後の展開を予測する力、情勢の分析力、人物の性格や考えを把握する力が傑出している。現代でも必要な力と言える。最終的に凡人の劉禅が最も穏やかな生涯を遂げたというオチが無常観を表出している。2020/05/13
優希
44
魏呉蜀も落ち着いたと思えば、内乱や陰謀が勃発し、権力争いから有力な英傑が散っていく。三国志173年の歴史は曹操の時代の争いから始まり、三国の内乱を経て晋建国で幕を突じる。ここまで長い物語にするならば、晋の最初の歴史にも触れて欲しかったのが本音です。でも、面白かったです。2024/04/04
巨峰
44
宮城谷三国志驚嘆の最終巻。策を弄するものは、その策により滅び、武を誇るものはそれ故に凶刃を招き入れ、驕り高ぶるものは自らを失い滅ぶ。敵味方関係なく滅ぶべきものが滅んだ後に、三国の和平が成るのが凄まじい。宮城谷さんは、三国志を描き切られたと思います。その識見の高さゆえ歴史小説として空前絶後な三国志。読んでよかった。2013/09/14
しーふぉ
25
ついに完結です。諸葛亮死後も丁寧に書いているのは三国志本の中で珍しい。シリーズを通した感想は、演技を期待して読むと人物の魅力が乏しいと感じるかもしれない。しかし、知らない人物がたくさん出て来て、読み応えあり良い読書でした。2019/03/09