暮れていく愛

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  • サイズ B6判/ページ数 220p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163821405
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

お洒落にも外出にも興味を持たぬ妻の関心は夫の愛情が自分にあるかどうかということのみ。気晴らしを拒否し、悩みぬく女の姿を描く。

つねに様々な小説様式で深い宗教性を感じさせる作品を発表してきた芥川賞作家・鹿島田真希の夫婦小説。結婚十年目のカップルが、互いへの疑いや気づまりの念を交互に独白してゆく。やがて二人は呼応するかのように、社会にではじめの頃、大学生の頃、高校生の頃、子供の頃の記憶をさかのぼり、行き着いたのは……。女子大生ミカの不敵な挑戦を描く「パーティーでシシカバブ」併録。

内容説明

夫婦の危機が、異様な記憶の蓋をあける時―この頃こういう正体不明の心の叫びをいつも抱えていた。もしノートかなにかに書き留めたら、紙全体がぎっしり字で埋まってしまって、正気の沙汰ではない恐ろしいノートができただろう(「暮れていく愛」)。芥川賞作家、衝撃の告白体小説。女子大生ミカの冒険を描く「パーティーでシシカバブ」併録。

著者等紹介

鹿島田真希[カシマダマキ]
1976年、東京都生まれ。白百合女子大学卒業。在学中の1998年「二匹」で第35回文藝賞受賞。2005年『六〇〇〇度の愛』で第18回三島由紀夫賞を受賞、2007年『ピカルディーの三度』で第29回野間文芸新人賞を受賞。2012年「冥土めぐり」で第147回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アッキ@道央民

38
表題作と短編『パーティーでシシカバブ』の2編。パーティーで・・・の方は、まるで妄想でもしているような不思議な感覚。わりと楽しみながら読む事できましたが、好みは別れるだろうなぁ~。表題作は、妻と夫のそれぞれの回想の場面が入れ替わりながら話しが進む。お互い思い合いつつもすれ違い傷つけ合うって事あるんだろうな。まさしく暮れゆく愛に二人はどうなってしまうんだろうと思いましたが、ラストはスッキリとはしませんが、少しでも希望の持てる終わり方だったかなぁ。2015/05/01

らむり

32
ヘンな人だらけの2作品。表題作より「パーティーでシシカバブ」の方が面白かった。頬が緩みっぱなし(^^)。2013/06/01

あじ

30
ギャル語と句読点ばかりの文章で辟易させ、せっかく本を手に取ってくれた読者を、超目が細かいふるいでかなり選別してくれます。それが本編に入る前の儀式。50ページで息切らしてゴール。やっとこさ表題作に突入。多少まともになったと思ったら、今度はいつまでも日が暮れないやりとり。なんなんじゃ、コレは(笑)と身悶えしつつも、私は完走した。多分、数少ないメッセンジャーになった。そんな作品の雰囲気に沿って、私も負けじと書いた。これを読んでくれた方がとりとめなく感じてくれたら成功だ。2013/06/16

かんちゃん

25
初鹿島田真希さん。表題の『暮れていく愛』と『パーティーでシシカバブ』の2編を収録。『パーティー・・』の方はサッパリわかりません。これしか感想がないです。『暮れて・・』の方は、境界線上の女性の心理描写を告白体で淡々と紡いでいく作風。ここ数年の芥川賞受賞女性作家にみられる作風で、男性の私には掴み所のない空気感が色濃くて、私には何処が面白いのか初読ではわからなかった。読メユーザーの方々の感想をじっくり読んで、自分との視点の違いを勉強させていただいてから、もう一度鹿島田真希さんにトライしてみたいと思います。2014/08/09

すい

25
2編の中編からなる本作ですが、最初の話はよくわからなかった。 表題作は良かった。 お互いに想い合っている夫婦の些細なすれ違いから始まる深い溝。 お互い想い合っているとは言っても、その想いは全然意味合いが違う。 男と女でこうも違うんだな。 今にも崩れそうな関係に微かな希望が見えてくるラスト。 このラストがあるからこそ、今もこの作品が心の中に残っているんだろうなぁ。 2013/08/16

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