サクラ秘密基地

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163820101
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

小学生の男子四人で作った秘密基地を巡る表題作「サクラ秘密基地」など夕焼けのような郷愁と、乾いた心に切ない涙を誘う六本の短編。

??直木賞受賞作?=w花まんま』や、??涙腺崩壊?≠フキャッチフレーズ『かたみ歌』で、読者の涙を誘った短編の名手・朱川湊人が、家族と写真にまつわるちょっぴり不思議で哀しいお話をお贈りします。二〇一二年秋に、三十九年の長期連載が幕を閉じたミステリ界の巨人・佐野洋氏の連載「推理日記」で、設定の妙を大絶賛された、UFOをでっち上げた同級生の美人の女の子の身の上話「飛行物体ルルー」、とある事故をきっかけにして、優しかった近所のおねえさんの意外な一面を見てしまった少年の淡い慕情の?末「コスモス書簡」、ぶっきらぼうで、口より手が先に出る不器用な父と、その父に寄り添うように暮らす聡い男の子、そして同じボロアパートに、とある事情で身を隠すように暮らすことになった??私?≠ニの心の交流を描いた「スズメ鈴松」、ほのかな想いを寄せながら亡くなった同級生の想いが、不思議なカメラに乗り移ってもたらされた写真にまつわる奇妙な出来事「黄昏アルバム」、小学生の男子四人でつくった秘密基地にまつわる哀しい過去を巡る表題作「サクラ秘密基地」など、夕焼けを見るような郷愁と、乾いた心に切ない涙を誘う、短編を六本を収録。

内容説明

短編の名手、“日本のブラッドベリ”こと朱川湊人が、お贈りする「家族」と「写真」にまつわるちょっぴり不思議で哀しい物語。

著者等紹介

朱川湊人[シュカワミナト]
1963年大阪府生まれ。慶應義塾大学卒業。出版社勤務を経て、2002年「フクロウ男」で、第四十一回オール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年には「白い部屋で月の歌を」で、第十回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞、2005年『花まんま』で、第百三十三回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

文庫フリーク@灯れ松明の火

165
《秘密基地》という言葉に、ときめきと懐かしさ感じるあなたはご同輩(笑)表紙の4人だけの秘密は、高いコンクリート壁で遮蔽された、セイタカアワダチソウと雑草が生えた空き地。破棄された青の軽トラックはジェット号と名付けられ、背後に一本きりの桜の木が花咲く《サクラ秘密基地》スピンまでが桜色の暖かそうな装丁は擬態。児童虐待死、地下鉄サリン事件を想起させる作品、行旅死亡人(行き倒れ等、住所氏名等が判明せず、且つ遺体の引き取り先が存在しない死者)の遺した手紙・・昭和ノスタルジーという優しげなオブラートに包まれた→2013/09/24

kishikan

140
「オルゴォル」以降、なんとなく朱川さんのタッチが変化したかなって思ってたけど、この短編集は久しぶりにホラー・ファンタジーの世界とセピア色の情景が瞼に焼付くようで泣かせます。もしかすると誰もが心の奥にしまいこんだ、痛い思い出、本当は思い出したくもないんだけれど、でも忘れてしまっちゃいけないような気がして、扉を閉ざしちゃいない記憶。いつもそこを朱川さんは突っついてくるんだよね。 でも彼の良さは、決して嫌な思いをさせずに、そこから立ち上がるきっかけをつくってくれるところ。「サクラ秘密基地」「スズメ鈴松」が絶品!2013/07/08

新地学@児童書病発動中

129
朱川さんお得意のノスタルジックホラー。どの作品も昭和の匂いが立ち込めており、私のような昭和生まれは懐かしさを感じる。「コスモス書簡」、「黄昏アルバム」のような詩情を感じる言葉のセンスが素晴らしい。単に面白いだけではなく、人間が生きていく上で感じるやるせなさや、生の哀しみがきちんと書き込まれているので、どの物語にも説得力があった。友達が失踪した事件のショッキングな真相が明らかになる表題作と、外見は怖いけれど優しい心を持った「鈴松」が登場する「スズメ鈴松」が私の好み。2015/10/18

ちはや@灯れ松明の火

114
四角く切りとって閉じこめた時間のかけら、その中できみは屈託なく笑っている。ほろほろと散る桜が哀しいなんて思わなかったあの頃。写真は深く眠った記憶を揺り起こす。別れを招く飛行物体、幸せだったと告げるコスモス、今思えばそこは分岐点。黄昏にうすれゆく同級生、月光にかすんだ家族、振り向いても、もう戻らない。目に見えるものが真実とは限らないと、人の心までは写しとれないと、あの時はまだ、知らなかった。あの日を刻んだ写真の中、あなたは不機嫌そうに睨んでいる。私だけが知っている素顔は、心の奥の秘密基地にしまっておこう。 2013/05/07

紫 綺

111
久しぶりの朱川さんの短編。ゾゾッとするような話が多かった。表題作と最後の「スズメ鈴松」が印象的。最後の短編で救われた一冊。2013/06/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/6379725
  • ご注意事項