出版社内容情報
〈奇跡の蜂蜜〉を作るポロウ村に転校してきたレオ。蜂蜜の秘密に関わる旧家の娘サリーは、以来次々と不思議な出来事に出会う……。
内容説明
“奇跡の蜂蜜”を守るため、昔ながらの暮らしを続けるポロウの村。不思議な転校生が訪れてから、次々と奇妙な出来事が…。永遠の少年と花守る少女が秘密の扉をひらく。
著者等紹介
小路幸也[ショウジユキヤ]
1961年北海道生まれ。広告制作会社勤務、ゲーム・シナリオライターを経て、『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で第29回メフィスト賞を受賞、2003年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちはや@灯れ松明の火
150
黄金の太陽のかけらを溶かして、琥珀の月のしずくを浮かべて。クローバー・ルリヂサ・アキノキリンソウ、季節を彩る花たちの恵み。カモマイル・オレンジ・アオモクセイソウ、花をめぐる蜂たちの営み。きみに秘密を伝えよう。森の中のポロウの村、村に伝わるポロウの蜂蜜、蜂蜜がもたらす奇跡。陽光を浴びた金髪と青空を映した瞳、季節はずれの転校生が笑う。いとしむように、かなしむように。ポロウミツバチとキングサリー、壜の中に時の流れを重ねて、妖精たちの伝説を閉じこめて。きみの秘密を受け継ごう。あまくかぐわしくやさしい毒の物語を。 2013/09/14
紫綺
138
妖精と人間にまつわる不思議なファンタジー。ちょびっとだけミステリ仕立て・・・。読みやすくて、設定も面白いのだが、ドキドキ感ワクワク感が物足りなかったかな?2013/04/14
ひめありす@灯れ松明の火
137
『バンドワゴン』『つむじダブル』はやわらかな日向の物語、『coffeeblues』『Q.O.L』は喧騒の中で見つけたおいしい珈琲、『ナモナキラクエン』『東京ピーターパン』はぬくぬくのブランケット、『キサトア』は光を一杯に含んだ潮だまり。小路さんの作品は性質の違う温かさが魅力的です。今回の蜂蜜秘密は太陽の光を沢山吸い込んだキングサリーみたいに香り高い暖かさです。小学校の図書室にあった外国のお伽話を読んでいるみたいで、純粋である事が全て善い事で許される訳ではなくて、時に非情でグロテスクな事なのだと思いました。2013/08/03
Mumiu
109
甘い!なんたって「蜂蜜」「秘密」言葉の響き自身がすでに甘い……。ポロウの村に伝わるポロウの蜂蜜をめぐる、農学校に来た転入生レオと、ジャックとサリーとの短い時間の物語。村一番の古い家のサリーとジャック。レオの秘密。村の掟。トク先生のように外からきた人たち。エキスパートも存在する世界。水祭り。レオがポロウの村に「やってきた意味」。レオの秘密の一つは簡単に予想がついたけれど、予想できたのはそこまででした。ことばのひとつひとつがきらきらしていて、物語を知りたい思いと、終わるのがさびしい思いとで葛藤しちゃいました。2013/05/14
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
104
“奇跡の蜂蜜”の産地として有名なポロウの村にある農学校に編入してきたレオ。彼の案内役として選ばれたのは、ロウゼ家の跡取り娘・サリーという少女で・・。ファンタジー小説らしいお話でした。サリーとジャック。二人とも村の実力者の跡取りでありながら少しもひねくれたところがなく、真っ直ぐなところが良かったです。話の内容もさることながら野中深雪さんの装丁や小鹿あきこさんのイラストが内容にピッタリでとても素敵でした♪★★★★2013/04/12