出版社内容情報
十兵衛は、旧知の侍が名門の若主人に逆恨みされた挙げ句、討ち果たされたと知った。怒った十兵衛がとった行動とは。シリーズ第8弾。
内容説明
十兵衛の旧知の侍が、果たし合いで討たれた。原因は名門の若主人の逆恨みか。怒った十兵衛がとった行動とは。
著者等紹介
佐藤雅美[サトウマサヨシ]
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒業。雑誌記者を経て、作家となる。85年『大君の通貨』で新田次郎文学賞、94年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で直木賞を、それぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃこ
8
八州廻り桑山十兵衛シリーズ第8弾。[収録作品はコメント欄]天保3年(1832)真冬〜春(1話の記述より。7話から計算すると文政13年(1830)?)。廻村の先々で頻繁すぎるほどに出くわす火盗改御先手組同心・樋口新三郎が準主役。 今回は「年月」を意識させる事件が多いと思っていたら…最終話を読んで納得。構成も話も面白くて上手い!今回も豆知識が豊富。十兵衛の剣の腕と篤い心意気がいつもより際立っていて、こんなイイ男だったかしら?と嬉しい驚きも。切ない余韻の残る話に満足度高し。2014/03/13
うさこ@タッタカタ
6
火盗改めとあちこちで鉢合わせ。何かある…おもいもよらぬラストでした。 史実を語るところは集中しないといけないのは 佐藤作品では毎度のこと。へえ〜となるのだけど、しんどい(>_<) 今回は八重さんの出番なし、ファミリーの話も読みたいなあ。気が向いた事件には首をツッコミ、江戸に帰りたいとなるとめんどくさがる。なんかヒーローじゃないんだなあ。でも勢至堂抜くとつおーい。この刀もなあなあで自分の物にしたような2013/06/11
だいしょう@SR推進委員会
6
読んでいて、トリビアのへぇボタンをどかどか押したくなりました。佐藤雅美の作品はけっこう読んでいるのだけれど、いつも何かしら勉強になってしまう。でも、それがうまく話に繋がっているのがうまい。無駄な薀蓄がないというべきか…。さて、家庭も平穏で、主人公十兵衛も絶好調。男気にあふれた私闘で友の無念を晴らします。こんなに熱い男だったけと、またまたトリビア。八州を徘徊する火盗改同心の目的を当てちゃうのは出来すぎの感がありますが、その結末には、ほろりときそうでした。一徹な彼にはこれからも十兵衛に絡んでほしいのですが。2011/12/22
あかんべ
5
この人の作品は勉強になるなあ。今回は秤と身分制による制限についてが、へえって感じだした。相変わらず江戸に帰ればすぐ八州に派遣される十兵衛。全編でちらちらしていた新三郎の謎も解決して、すっきりした幕切れだった。2011/12/07
クロネコ
4
正直なところ桑山十兵衛シリーズはちぐはぐな印象を持っているんだけど、これは文句なく面白かった。メインの樋口新三郎もさることながら、表題作の吉村兵太左衛門も印象深い。全体的に十兵衛はいつもと違ってカッコ良かった(笑)今回の社会の時間は浦和の見沼通船堀でし。2011/11/08